2026年07月23日 12:56
下顎の犬歯間幅径(下の歯の糸切り歯どおしの間の距離)の重要性
米国矯正歯科専門医認定ボート試験でも、もっとも重要視されるが、治療前後の下顎の犬歯間幅径です。治療前後で、下顎犬歯間幅径が増えてしまっている場合、大きな減点になり、試験は、失格となってしまいます。また、下顎歯列形態は、矯正治療後の安定および患者さんの健康上の要素になります。
この原則は、過去の多くの著名な臨床家や研究者たちの多年に渡り繰り返された貴重な功績であるので、決して無視することはできません。
ですので、床矯正装置やマウスピース矯正などを用いて「永久歯」歯列の下顎犬歯間幅径を安易に拡大する方法は、下の歯の4本の前歯を並べるには効果的で容易なアプローチですが、その後におこる犬歯の外側のあごの骨の吸収と自然な犬歯の内側への移動による後戻りを考えると、より良い治療とは言えません。
下顎歯列の拡大は、内側に倒れている歯の外側におこす(アップライト)にとどめるべきで、歯の根をあごの骨の中央に位置づけておく必要があります。
歯並びのその後の安定を考えると、下の歯はできるだけ真っ直ぐ立っていたほうが良い(モンソンカーブ 0°)ので、この「アップライト」積極的にするべき治療です。当院では、ほとんどの症例で最初に行うのが、このアップライトという治療です。
犬歯の側方拡大はしてはいけない治療ですが、子どもの犬歯の場合、グラグラする前に乳歯列の側方拡大を行うことは非常に大切なことです。これは、あごの骨も拡大し、後から生えてくる永久歯の安定して配列に有効です。(小学2年生の治療)
上顎は、下顎との調和が許される限り、何歳でも側方拡大できます。
一方、上顎は15歳以下であれば、ほぼ100%急速拡大が可能で、鼻閉の改善、中顔面の成長(鼻が高くなる)にも効果的です。従来は、20歳くらいまでは、急速拡大装置が使われいました。現在では、ミニインプラントが普及していますので、当院でもそうですが、年齢に関係なく、急速拡大が行われています。もちろん、拡大には上下の調和が基本であることにはいうまでもありません。
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