ワイヤー矯正、虫歯以外に起きやすいトラブルとは?

2021年09月27日 09:11

矯正治療を行うための装置には、固定式のワイヤー矯正とインビザラインに代表される、取り外し式のマウスピース矯正があります。それぞれにメリットとデメリットがあり、よく把握したうえで装置を選択して治療を始めることが大切ですが、矯正治療を始めるといくつかトラブルに見舞われることがあります。

特にワイヤー矯正の場合、虫歯リスクが高まるというリスクがありますが、今回は虫歯以外にワイヤー矯正に起きやすいトラブルをご紹介したいと思います。

ほとんどの症例に対応できるワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットと呼ばれる小さなボタンを付け、そこへワイヤーを通して調整し、歯を少しずつ動かす方法です。ワイヤー矯正は昔から行われている治療法で、エビデンスも豊富でほとんどの症例に対応できるという強みがあります。

またワイヤー矯正といえば、金属の装置がお口の中でギラギラと目立つ、という審美性に問題がありましたが、最近では審美ブラケットと呼ばれるセラミックやサファイヤなどを使った、透明なブラケットを使う医院が増えています。またワイヤーも白くコーティングをしたホワイトワイヤーやゴールドワイヤーなど、比較的目立ちにくい装置を使う医院も増えてきており、選択肢の幅が広がっています。

またワイヤー矯正は固定式のため、原則として矯正治療が終了するまで装置を取り外しません。自分で調整をする必要がないため、ほぼ治療計画通りに治療を進められることが大きなメリットであると言えます。

ワイヤー矯正に起こりやすいトラブルは虫歯だけではありません

どんな症例にも対応できるワイヤー矯正ですが、矯正治療中にトラブルが起きやすいというデメリットがあります。最も多いのは、歯磨き不足による虫歯リスクが高いということですが、これはマウスピース矯正でも同じです。歯磨きをしっかりとしなければワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも虫歯リスクを抱えることに変わりはありません。ではワイヤー矯正の場合、虫歯以外にどんなトラブルが起きやすいのでしょうか。

1.ワイヤーの針金で傷がつきやすい

虫歯以外に起きやすいワイヤー矯正のトラブルとして、ワイヤーの針金が唇や内頬の粘膜に当たって傷がつきやすいということです。粘膜に傷がいくと口内炎や潰瘍になってしまう可能性があります。ワイヤー調整後に起こりやすいと言われていますが、ワイヤーにより粘膜が傷ついてしまった場合、早めに受診することが大切です。

2.ブラケットが取れやすい

ブラケットは、歯の表面にひとつずつ、レジンを使って止めていきます。しかし固いものを噛んだ、アクシデントで口元をぶつけてしまったなど口元に衝撃が加わると、ブラケットが取れてしまうことがあります。ブラケットは付けなおすことができますが、頻繁に起こると治療計画に影響が出てくることがあります。

特にセラミッククラウンなどの被せ物の表面はボンドが付きにくく、よく取れてしまった!という声を聞きます。

インビザラインなどのマウスピース矯正は比較的粘膜を傷つけにくく、ブラケットが取れるということはありません。

トラブルが起きたらすぐに受診しましょう

ワイヤー矯正に起きやすいデメリットについてお話いたしました。特にワイヤーの針金による粘膜の傷はかなり痛みを伴います。歯が動く以外の痛みはできるだけ避けたため、ワイヤーの針金が当たって痛い場合はすぐにかかりつけの矯正歯科を受診するようにして下さい。

 

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歯石除去のあとに歯や歯ぐきが痛い・・・考えられる原因とは?

2021年09月16日 15:36

いつまでもご自身の歯で食事を楽しむことは、豊かな人生を送る上で何よりも大切なことです。そのためには、歯や歯ぐきが健康であることがとても重要です。そしてその状態を維持するのが、定期検診や歯石除去です。

しかし歯石除去をしたあとに歯がしみたり歯ぐきから出血して痛かった!という経験をした方もおられると思います。歯の健康は維持したいけど、歯石除去の痛みやその後のお口の中の状態を考えると気が進まない、と思うかもしれません。では歯石除去の後の歯や歯ぐきの痛みの原因には何が考えられるのでしょうか。

なぜ歯石除去が必要?

中には歯石除去なんて必要ない!そのためだけに歯医者へ行くのは面倒くさい!と考える方もおられると思います。ではなぜ歯石除去が必要なのでしょうか。

それは歯ぐきに歯石が付着するからです。歯石はプラークが石灰化したもので、ザラザラとした軽石のようなものが歯に付着します。

歯石の表面は汚れや細菌が付着しやすく、そのままにしておくと歯周病の原因となり、さらに歯周病の悪化を招いてしまいます。

歯周病が悪化すると、歯を失うリスクが高まります。歯の健康維持のためにも歯石除去は欠かせないのです。

歯石除去後に歯や歯ぐきに痛みが出るのはなぜ?

お口の健康維持に欠かせない歯石除去ですが、施術後に歯や歯ぐきに痛みが出ることがあります。それはなぜでしょうか。

1.歯ぐきが腫れて炎症を起こしているため

そもそも健康な歯ぐきの場合、出血したり歯ぐきが痛くなることはありません。歯ぐきから出血したり痛みがあるのは、歯ぐきが腫れて炎症を起こしているからです。

歯石除去は、スケーラーチップという先端がすこし尖ったチップで細かな歯石まで取り除きますが、歯ぐきから血が出るのはチップで歯を傷つけているからではありません。歯石が溜まっていることで歯ぐきに炎症が起きているから出血するのです。

2.歯石が歯周ポケットの奥深くまでこびりついているため

歯周病が進行すると、歯と歯肉の隙間の歯周ポケットという溝が深くなります。すると歯ぐ気の中に埋もれている部分にまで歯石が付着してしまいます。歯ぐきの中にある部分にまで歯石が付着しているのは、歯周病が進行していることでもあり、歯石を取り除く際に出血が起きてしまいます。

3.歯石除去による一時的な知覚過敏のため

歯に付いていた歯石を付着することで、これまで感じなかった冷たいものや風などでしみることがあります。これは歯石に覆われていたからです。これは一時的な知覚過敏であり、歯周病の悪化や加齢による歯肉退縮が原因です。

歯石除去後の知覚過敏が辛くても、歯周病の悪化を防ぐためにもきちんと歯石除去を受けることが大切です。

お口の健康を考え、継続して歯石除去を受けましょう

いちどの歯石除去では歯ぐきの腫れや炎症が引かないことがしばしばあります。そして炎症が起きていると、痛みも起きてしまいます。

しかしここで止めてしまうと、歯石は溜まるいっぽうで、それに比例するかのように歯周病がどんどん悪化していきます。

歯ぐきの状態が安定するよう、毎日のていねいな歯磨きに加え、定期的な歯石除去を受けることでだんだん歯ぐきが引き締まり、良い状態へと改善されていきます。

歯石除去や定期検診は、お口の健康維持への第一歩です。医師の指示や決められた期間で歯石除去を受け、お口の健康を維持しましょう。

 

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