2018年06月29日 09:21
銀歯は保険適用のため治療費を安く抑えることが可能です。確かに歯医者に通うとお金がかかるため、費用を抑えることができるのはありがたいことだと思います。しかし銀歯は再治療になりやすく、最終的に歯を失うリスクが高い治療法です。再治療のリスクを抑え、ご自身の歯を長持ちさせるにはセラミックを使った治療が効果的です。今回は銀歯とセラミック治療を比較しながらセラミックのメリットについてお話しいたします。
銀歯は治療費が安いことがメリットですが・・・
虫歯が神経まで達してしまうと神経を取り除き、根の中をきれいにする根管治療が必要になります。神経を取った歯は脆く、そのままでは噛むことができないため土台を立てて型取りを行い、被せ物を装着して機能を修復します。保険適用の被せ物の場合、素材は金属でいわゆる「銀歯」となります。前歯は見える部分は白いレジンで内側と裏側が金属、奥歯はすべてが金属の被せ物になります。
保険適用のため銀歯は安価で治療することが可能で、治療費を安く抑えることができることは経済的にもありがたいことと思います。
しかし銀歯には大きなデメリットがあります。それは被せ物の下で再び虫歯になる「二次カリエス」のリスクが高いことです。二次カリエスになると銀歯を外し、もういちど根の治療を行います。その際少なからず歯を削ることになるため、歯質が薄くなってしまいます。そこへまた銀歯を被せると、数年後にはまた二次カリエスになり再治療・・・と再治療を繰り返すうちに、最終的にその歯を失う可能性が高くなってしまいます。
では銀歯はなぜ二次カリエスになりやすいのでしょうか。それは金属の素材上、歯と金属がぴったりと密着しないためです。どんなに精巧に作られても、歯と金属の間にわずかな段差が生じ、そこから虫歯菌を含んだ唾液が流れ込んで内部で増殖してしまうのです。銀歯の場合、「接着」ではなく「合着」のため、ぴったりと密着しません。安く治療できるところが魅力に感じますが、再治療を繰り返すたびに治療費が必要になってしまいます。最悪歯を失ってしまったら入れ歯やインプラントなどの治療となり、結局は治療費がかさんでしまいます。
二次カリエスのリスクを抑えるならセラミック治療
二次カリエスのリスクを抑える最も効果的な治療法は、オールセラミッククラウンによるセラミック治療です。セラミックは白く透明感のある美しい素材で汚れにくく、審美的にとても美しい被せ物で、特に目立つ前歯オールセラミッククラウンの場合、天然歯と変わらない美しい歯を取り戻すことが可能です。同じ前歯でも、保険適用のレジンの場合、作製当初は白くても年数が経つにつれ、だんだん黄ばんで見栄えが悪くなってきます。オールセラミックは汚れにくい素材のため、白くて美しい歯を長期間キープすることが可能です。
このように審美面でとても優れているセラミック治療ですが、もうひとつ注目すべき点は、二次カリエスのリスクが低いことです。オールセラミックは歯との密着性に優れており、歯と被せ物がぴったりと密着するため唾液が流れ込む心配が銀歯よりも格段に低いという特徴を持っています。また汚れだけでなく細菌も付きにくい素材であることも二次カリエスリスクを抑えることができる要因のひとつです。
その他にも金属を使わないメタルフリーのため金属アレルギーの心配がない、歯ぐきの黒ずみの心配がないなど、審美面と機能面、そして体への安全面を考慮した治療法です。
ただしセラミック治療は保険適用外のため、高額な費用が必要となることがデメリットです。
セラミック治療で歯を長持ちさせましょう
セラミック治療が二次カリエスのリスクを軽減することについてお話をしました。銀歯は安価であることが魅力的ですが、歯を失うリスクが高いことがネックとなってしまいます。セラミック治療はこのようなリスクをカバーする利点を持ち合わせており、歯の寿命を長持ちさせる優れた治療だと言えます。
2018年06月27日 22:23
大切なお子さまの歯並びが気になることはありませんか?ガタガタした歯並びや出っ歯、すき間がたくさん開いている歯・・・。お子さまの歯並びが心配な親御さんは非常に多いと思います。歯並びが悪いと、成長したときに口元にコンプレックスを感じ、笑顔にも自信がなくなってネガティブな気持ちになってしまうかもしれません。しかし歯並びの悪さは見た目だけの問題ではありません。虫歯や歯周病を引き起こしやすいため歯の健康にも影響してしまうことがあります。今回は大切なお子さまの歯並びの問題と小児矯正についてお話をいたします。
子どもの歯並びが乱れる主な原因について
お子さまの歯並びで特に気になるのはデコボコとした歯並びではないでしょうか。このまま成長すると、きっとガタガタの乱杭歯になってしまうかも・・・と、さぞかし心配になることでしょう。
お子さまの歯並びが乱れる最も大きな原因は顎が小さく、永久歯の大きさとのバランスが悪いことです。顎が小さいと後から生えてくる永久歯が正しいスペースに並び辛く、押し出される形で生えてくることからガタガタの歯並びになってしまいます。
その他にも遺伝的要素、指しゃぶり、乳歯がなかなか抜けないなどが原因として考えられます。
歯並びが悪いまま成長すると、歯のトラブルを引き起こしやすくなる
乱れた歯並びは見た目の問題だけでなく、虫歯や歯肉炎、歯周炎など歯のトラブルを引き越しやすくなります。というのも、歯並びが乱れていると歯磨きを行いにくく、フロスを使っても歯と歯の間の汚れが落としにくいためプラークが作られやすくなるからです。プラークが形成されるとそこは細菌の温床となり、虫歯菌や歯周病菌といった歯のトラブルの引き金になってしまいます。
このように、歯並びの乱れは見た目だけでなくお口の中の病気の原因になりやすいのです。成人すると特に気を付けなければいけないことは、歯周病です。学童期は歯肉炎で済むことがほとんどですが、歯並びが乱れたまま大人になると、歯周病リスクはグンと高くなってしまいます。
歯並びを整えることは、歯の健康を守ることにもなります
歯列矯正と聞くと、歯並びを整えることばかりが注目されがちですが、実は歯列矯正は歯の健康を守るためのとても重要な治療です。大人になってからでも矯正は遅くはありません。しかし子どもの間に歯列矯正を行うほうがお子さまへの負担も少なく、正しく噛む習慣を得ることができるなど、メリットが多いと言えます。
お子さまの歯列矯正ではできる限り永久歯を抜かず、歯が正しく並ぶスペースを確保することを目的とした「床矯正」という治療を中心に行います。取り外し式の矯正装置を装着して少しずつ顎の骨を広げ、永久歯を正しい位置へと導くようにします。
床矯正の装置は取り外し式のためお食事や給食のときなどは外して召し上がっていただけます。また歯磨きも行いやすく、虫歯や歯肉炎のリスクも抑えることが可能で、お子さまにやさしい矯正治療法であると言えるでしょう。床矯正を終えた時点でまだ微妙な調整が必要な場合は、引き続きワイヤー矯正などを行って歯並びをきれいに整えます。
大人になってから後悔しないよう、小さいうちからお子さまに負担の少ない方法でキレイな歯並びをプレゼントしてあげてはどうでしょうか。
2018年06月26日 06:29
歯並びが悪く、矯正治療を行いたいけれど誰にもわからずに行いたい、あのギラギラとした矯正装置に抵抗があってどうしても治療に踏み出せない・・・このようにお思いの方も多いのではないでしょうか。歯列矯正といえば、歯にボタンのようなものを装着してワイヤーを通し、歯を動かして歯並びを整える「ワイヤー矯正」が一般的ですが、その他の矯正方法として取り外し式の「マウスピース矯正」があります。マウスピース矯正はワイヤー矯正とどのように違うのか、その特徴についてご紹介いたします。
マウスピース矯正の特徴とは
マウスピース矯正とは、患者様一人一人の歯の形に合わせて作製したマウスピース型の矯正装置によって歯並びを整える治療法です。矯正装置を歯に固定しながら歯を動かすワイヤー矯正と異なり、マウスピース矯正はマウスピースを取り換えながら少しずつ歯を動かしながら歯並びを整えていきます。
・取り外し式のため目立たない
マウスピース矯正の最大の特徴は、取り外し可能な矯正治療であることです。よく見ないとマウスピースを装着しているのがわからないほど目立たないため、矯正治療中であることを知られたくない方や接客業など、矯正装置が目立つことに抵抗を感じる方にとても適した治療法です。
・お口の中の衛生環境を整えやすい
ワイヤー矯正は小さな装置の隙間に汚れが溜まりやすいうえ、ワイヤーが通っていることで歯と歯の間にフロスが通しにくく、虫歯リスクが高くなることがデメリットのひとつです。これに対しマウスピース矯正は取り外し式のためお口の中を清掃しやすく、衛生環境が保ちやすいため虫歯リスクが抑えられます。
・金属を使わないため、金属アレルギーや口の中を傷つけにくい
ワイヤー矯正の装置は一般的に金属素材が使われていますが、マウスピース矯正は金属を一切使いません。そのため金属アレルギーをお持ちの方でも安心して矯正治療を受けることができます。また金具で粘膜を傷つける心配もありません。
・ほとんどの症例に対して対応可能
マウスピース矯正では難症例は対応できないと思われがちですが、マウスピース矯正はあらゆる症例に対応することが可能です。歯並びの乱れだけでなく、出っ歯や開咬などといった噛み合わせの乱れを改善し、正しい噛み合わせを導くための治療を行うことができます。
マウスピース矯正による治療期間は?
ではマウスピース矯正の治療期間はどのくらいでしょうか。マウスピース矯正は一般的にワイヤー矯正よりも治療期間が長いと言われているようですが、それほど大きな差はないように思います。症例にもよりますが、難症例と言われているような歯並びや噛み合わせは、治療期間が長くなる傾向があります。
・マウスピース矯正の注意点
メリットの多いマウスピース矯正ですが。1日に決められた装着時間があり、装着時間をしっかりと守ることが大切です。取り外せるから、と何時間もマウスピースを外していると、なかなか成果が出ません。マウスピース矯正はつかの種類がありますが、指示を守りながら歯並びを整えることが大切です。
目立たない矯正治療で歯並びを整え、笑顔で毎日を過ごしましょう
マウスピース矯正についてお話しいたしました。歯並びが悪いと見た目だけでなく、虫歯や歯周病の原因になってしまいます。マウスピース矯正は目立たず矯正治療を行うことができるため、矯正装置が見えないマウスピース矯正で歯並びを整え、生き生きとした毎日を過ごすことができるでしょう。
歯並びにお悩みの方は、まず当院にご相談ください。
2018年06月20日 10:13
くすんだ歯や黄ばんだ歯、ヤニで茶色くなった歯では、つい手で口元を隠してしまうことはありませんか?歯の色を白くする方法には歯のクリーニングとホワイトニングがありますが、この二つはどのように違うのでしょうか。
・歯本来の色を取り戻すクリーニング
歯のクリーニングは、日常の飲食などによって歯の表面に付着した着色(ステイン)を、専用の器械やブラシ、ペーストなどを使って取り除き、歯本来の色を取り戻す施術を言います。歯のクリーニングは保険適用のものと保険外のものがあり、保険適用のものはあくまで「病気を治す」ということが前提になることから、歯周病の検査と歯石除去が必要となります。また使用できる薬剤やペーストに限りがあり、保険適用内で使えるものしか使用できません。
いっぽう自費のクリーニングは審美性を重視するため、歯周病検査を必要としません。歯石が付いている場合ははじめに歯石除去を行いますが、必ずしも歯石除去が必要というわけではありません。自費のクリーニングの特徴は、保険では使えないような薬剤やペーストを使うことができることです。歯の汚れを落とすだけでなく歯にツヤを出したい、虫歯を予防したいなど、患者さんの要望に応じた施術を行うことができます。
なお自費のクリーニングの費用は歯科医院により異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
・本来の歯をもっと白くしたいためのホワイトニング
ではホワイトニングはどうでしょうか。ホワイトニングは、ホワイトニング薬剤を使って自分の歯よりも白くする施術のことを言います。「クリーニングで歯のは汚れは落ちたけど、もっと歯を白くしたい」と思われる方は、ホワイトニングを受けることで真っ白な歯を手に入れることが可能です。
ホワイトニングには歯科医院で受けるオフィスホワイトニングと、歯科医院で作製したマウスピースにホワイトニングジェルを流し込んで自宅で歯を白くするホームホワイトニング、この二つを合わせたデュアルホワイトニングがあります。
オフィスホワイトニングは、歯科医院で歯に専用の薬剤を塗布し、光を当てて歯を白くします。オフィスホワイトニングは即効性があり、一度の施術でかなり白くすることができます。しかし後戻りが早いため、真っ白になった歯をキープするためには定期的にオフィスホワイトニングを行う必要があります。
ホームホワイトニングは、歯科医院で作製したマウスピースにホワイトニングの薬剤を流し込んで1日30分~2時間を限度に、毎日装着してじっくりと歯を白くしていきます。ホームホワイトニングはオフィスホワイトニングのように即効性はありませんが、毎日続けることで白さが長持ちし、後戻りも起こりにくいことが特徴です。
このようにホワイトニングは、ご自身の歯本来の色をより白く仕上げ、とてもきれいな口元を作り出してくれます。しかしホワイトニングを行えば、全ての歯が真っ白になるわけではありません。セラミックなどの人工歯は当然白くなりません。また抗生物質の副作用により変色した歯も、残念ながらホワイトニングでは白くすることは不可能です。その他神経を取った歯の根元の黒ずみも、ホワイトニングで白くすることは難しいでしょう。このような歯を白くするためには別の治療を必要としますので、いちど歯科医師に相談してみて下さい。
・白く美しい歯で、生き生きとした毎日を送りましょう
歯を白くするための方法として、クリーニングとホワイトニングについてお話ししました。どちらも歯をきれいにするための施術ですが、双方は施術法も仕上がりも全く異なります。どの程度歯を白くしたいのかにより、施術法を選択するとよいでしょう。不明な点やご希望などは、遠慮せずに歯科医師へお尋ねください。
2018年06月14日 06:11
虫歯治療は、ドリルを使って歯を削り、虫歯部分を取り除いてプラスチックや詰め物を詰める治療法が一般的です。この方法は最もオーソドックスとはいえ、少なからず健康な歯質も削ることになってしまいます。
そこで今注目を集めているのが、歯を削らず薬で虫歯部分を溶かして治す「カリソルブ」という治療法です。今回は、カリソルブによる治療内容や費用などについてお話を進めていきます。
・カリソルブが適用となる虫歯とは
虫歯は、進行具合により治療内容も異なります。まず虫歯の進行具合について簡単に説明します。
C1・・・歯の表面のエナメル質が溶けて穴が開いていたり、黒っぽくなっている状態。痛みは感じない。
C2・・・虫歯がエナメル質内部の象牙質まで進行した状態。冷たいものや甘いものが滲みるようになる。
C3・・・虫歯が歯髄(神経)まで到達し、激しい痛みを伴う状態。根の治療を行うことで歯を残すことが可能。
C4・・・虫歯によって神経が死に、歯がほとんど溶けて根だけになった状態。歯を残すことはできず、残念ながら抜歯となる。
カリソルブは、C1とC2の虫歯に対して治療が可能です。ただ虫歯が歯髄近くまで達した虫歯の場合、虫歯を掻き出すときに痛みを感じることがあるため麻酔を使って痛みを感じないようにすることがあります。
・カリソルブの治療の流れ
ではカリソルブによる治療ではどのようなことが行われるのでしょうか。次にカリソルブ治療の流れについてご説明します。
①虫歯を溶かす薬液「カリソルブ」を虫歯部分に塗布し、約30秒待つ。
②カリソルブによって柔らかくなった虫歯を、手動の器具を使って掻き出す。カリエスディレクターと呼ばれる染め出し液を使い、虫歯の取り残しがないか確認しながらていねいに掻き出します。
③虫歯部分を完全に除去したあとは白いプラスチック、または虫歯が大きかった場合、型取りを行って詰め物を詰める。
・カリソルブの費用について
歯を削らず虫歯を治すことができるカリソルブは、自由診療になります。保険が使えないため費用が高くなり、白いプラスチックや型取りを行って作製した詰め物も、自費になります。歯科医院により費用は異なりますが、相場は5,000円~10,000円といったところでしょう。
・カリソルブのメリットとデメリットとは
歯はいちど削ると二度と元に戻りません。通常の虫歯治療は虫歯部分やその周囲も削る必要があることを比較すると、カリソルブはほとんど歯を削りません。歯の寿命を考えると、これは非常に大きなメリットと言えます。また麻酔を使わずに治療するため、高血圧などの持病をお持ちの患者さんにも適しています。ただし歯髄に近い部分まで虫歯が進行している場合は麻酔を使うことがあります。
カリソルブのデメリットは、保険適用外となるため治療費が高くなることです。また比較的新しい治療法のため、取り扱っている歯科医院がまだ少なく、費用の比較がしにいくいところもデメリットと言えるでしょう。加えて虫歯を取り残さないように掻き出す高い技術力を必要とし、その分通常の虫歯治療よりも時間がかかります。
・歯の寿命を考えた治療法
大切な歯を残すための削らない虫歯治療「カリソルブ」についてお話しました。不用意に歯を削らず、神経を温存することができる可能性が高いカリソルブですが、虫歯の進行具合により適用できない場合があります。不明な点は、当院に気軽にお尋ねください。
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