「お口クサイ!」と言われないために

2019年06月26日 10:20

高齢になると、いわゆる「加齢臭」が気になることでしょう。加齢臭とは、その名のとおり加齢に伴い、若いころには感じなかった独特の臭いを放つことです。その中でも、加齢による「口臭」は、会話する相手や同居する家族にとって、気になる加齢臭のダントツ一位と言ってもいいでしょう。可愛いお孫さんやお子さんたちから「お口クサイよ!」と言われないためにも、口臭ケアはきちんとしておきたいものです。

高齢者の口臭の原因とは

では高齢に伴う口臭の原因は、若い方に比べてどのように違うのでしょうか。最も考えられる理由として、唾液の分泌低下による細菌繁殖の増加です。年齢を重ねるにつれ、唾液の分泌量は減少する傾向にあります。お口の中には非常に多くの細菌が存在しています。唾液には細菌を洗い流す作用があり、口臭を防ぐ効果がありますが、唾液分泌量が減るとお口の中が乾燥し、細菌が爆発的に増加して口臭がきつくなってしまいます。また高血圧など全身疾患により薬を服用すると、その副作用で唾液が分泌されにくくなることがあります。高齢になると、高血圧をはじめとした生活習慣病に罹患している方が多く、高齢者に口臭が多いのは、唾液分泌の低下によるものがほとんどです。

そして細菌が増加すると、舌が真っ白になる「舌苔(ぜったい)」という状態になります。舌苔は高齢者でなくとも起こりますが、高齢者にはよく見られる症状です。

その他にも歯周病の進行によるもの、入れ歯やブリッジの手入れが行き届いていないために起こるものなど、年齢を重ねるにつれてお口の中の衛生環境が悪くなることが高齢者の口臭の原因として挙げられます。

 

加齢に伴う口臭を防ぐためには

家族や友人から「加齢臭で口が臭い」と思われないようにするためには、まず口腔内の状態を清潔に保つことが第一です。毎日の歯磨きはもちろん、入れ歯やブリッジが入っている場合は、念入りに手入れを行い、汚れ残りによる臭いのもとをシャットアウトすることが大切です。

そして唾液をたっぷり出すことも重要なポイントです。唾液はしっかりと噛むことで分泌されます。やわらかいものばかり食べるのではなく、噛み応えのある食材を食事の中に取り入れて、よく噛むように味わいましょう。また歯磨きのときに唾液腺マッサージを行うこともお勧めです。唾液の分泌を促す場所は耳の下の耳下腺、下顎の内側の柔らかい部分である「顎下腺」そして下顎の先端の内側にある「舌下腺」をゆっくり押してみて下さい。唾液腺が刺激され、唾液が出やすくなる効果があります。

何歳になっても、お口の中の健康を維持して、健康で快活な毎日を送るように心がけてみて下さい。唾液が出にくい方や、口臭が気になる方は、いちどかかりつけの歯科医院で相談してみてはいかがでしょう。

 

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6歳臼歯に伴うトラブルとは?

2019年06月23日 21:37

6歳臼歯とは、その名のとおり6歳前後で生えてくる奥歯の永久歯のことで、専門用語では「第一大臼歯」と呼ばれています。6歳臼歯は永久歯の中でも非常に大切な歯であるとともに、トラブルも起きやすい歯でもあります。では6歳臼歯に伴うトラブルとは、いったいどういうものなのでしょうか。

 

6歳臼歯に起こりやすいトラブルとは

 

虫歯・・・最も多いのは、虫歯です。6歳臼歯は奥のほうに生える歯で、咬合面の溝が深いため、食べかすが溜まりやすくなってしまいます。生えたばかりの永久歯はまだ柔らかく、酸に弱い状態です。またブラッシングも前歯に比べると行いにくいことから、虫歯リスクが高くなってしまいます。また6歳臼歯が生えてくる途中も、虫歯になりやすい状態です。対応策としては、歯の溝を埋めるシーラントが有効ですが、全ての歯科医院で推奨されているわけではありません。日常の歯磨きと仕上げ磨きをきちんと行い、定期健診を受けて虫歯予防を行いましょう。

 

歯が生えてくるときの歯ぐきの痛み・・・6歳臼歯の位置には、乳歯はありません。6歳ごろになったら歯ぐきから顔を出してきます。その時に歯ぐきにむず痒さや痛みを伴うことが多いようです。また歯ぐきが盛り上がったり、腫れてしまうこともあります。生えてしまったら症状が落ち着くことがほとんどですが、腫れが強い場合は、痛み止めを服用して様子を見ます。

 

・6歳臼歯の噛み合わせのズレ・・・6歳臼歯は、噛み合わせの基準となる最も大切な歯です。したがって噛み合わせがズレてしまうと、そのまま不正咬合につながってしまう恐れがあります。上下の噛み合わせのズレが確認されたら、早めに歯列矯正を行うことを考えたほうがよいでしょう。

 

エナメル質形成不全・・・他の永久歯にも見られますが、生えてきた6歳臼歯が変色している場合、エナメル質形成不全が疑われます。エナメル質形成不全とは、エナメル質が弱い状態の歯で、先天性の疾患です。エナメル質が弱いため、虫歯リスクが非常に高くなってしまいます。定期的にフッ素塗布を行い、歯質を強化していく必要があります。

 

一生付き合う大切な歯の健康を維持してあげましょう

6歳臼歯は大人になっても非常に大切な役割を持つ歯です。もし6歳臼歯を失ってしまったら、噛むバランスが崩れるだけでなく、顔の輪郭まで変わってきます。将来のことも考えて、6歳臼歯をずっと維持できるよう、虫歯などのトラブルから守ってあげましょう。

 

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歯科検診、異常がなくても定期健診を受診しましょう

2019年06月14日 08:57

6月は、歯とお口の健康月間です。幼稚園や保育園、小学校や中学校などで、校医さんによる歯科検診が行われていることでしょう。学校などの集団検診の場合、結果をお知らせする用紙が保護者のもとに届くと思いますが、異常がなくても定期健診に通うことがお勧めです。

 

集団検診でチェックすることとは

各都道府県や自治体によって若干の違いがあるかもしれませんが、集団検診では園児や生徒のお口の中を見て、次のようなことをチェックします。

・虫歯の有無

・歯肉の腫れの有無

・プラークが付着していないかなど、口腔内の衛生状態の確認

・歯並びや噛み合わせの確認

・その他歯科医師の所見

学校などの集団歯科検診では検査の項目が定められており、虫歯を表す「C」、歯肉炎を表す「G」、要観察段階である「CO」「GO」などがあります。この「O」はゼロではなく、英語の「observation(観察)」を意味しており、虫歯や歯肉炎になりそうなお子さんに対して付けられます。また歯並びは正しいか、出っ歯や受け口、オープンバイトなどの不正咬合はないかどうかも重要な項目です。

 

集団検診ではわかり辛い面も

集団検診は、虫歯や歯肉炎がないかどうかなどお子さんのお口の中の健康状態を確認し、診断結果を保護者にお伝えします。しかし集団検診は、限られた時間の中で、たくさんの子供のお口の中を診なければいけません。また歯科医院の眩しいライトの元でしっかりと診るのとは違い、保健室などごく普通の明るさの中でお口の中を確認します。明らかに真っ黒になっている虫歯や赤く腫れた歯肉などは比較的確認しやすいですが、少し歯の表面が溶けかけている脱灰は、もしかすると見落としてしまう可能性も否定できません。逆に、少し茶色くなっている歯が虫歯と診断されたにも関わらず、実際に歯科医院で診てもらったら、ただの着色だったということもそれほど珍しくありません。

歯並びに関しては、レントゲンを撮ってみないとわからないことも多く、歯科検診の結果が全てとは言えないこともあります。

しかし、歯科検診の結果で要観察や要治療にチェックが入った場合、速やかに歯科医院で処置を受けることで、症状の悪化を防ぐことができることは、非常に大きな意味を持つと言えます。

 

検診結果に関わらず、定期健診をしっかりと受けましょう

集団歯科検診の結果に問題がない場合、保護者の方は「何も異常がなくて良かった」とホッとすることでしょう。お子さんにとって歯医者は苦手な場所のひとつです。治療の必要がなく、やれやれと思われうかもしれませんが、お子さんの歯やお口の中の健康を維持するためにも、定期健診は欠かさず受けることをお勧めします。集団検診では確認できなかった異常を発見することも決して少なくはなく、早めに治療をすることで、お子さんの負担も少なくて済みます。

集団歯科検診の結果に関わらず、お子さんのお口の健康維持のためにも定期健診を受けるようにしましょう。

 

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飲み物は、できるだけ水かお茶で

2019年06月06日 16:51

暑い季節になってきました。暑いと喉が渇き、炭酸飲料やスポーツドリンクなどが美味しく感じられますよね。炭酸飲料はスカッとし、スポーツ飲料は汗をかいたときに体が欲するため、つい1日に何度も手を伸ばしてしまいませんか?砂糖をたくさん含んだ飲み物は、虫歯の元になります。美味しいからといって、飲みすぎてしまうと虫歯になってしまうため、砂糖を大量に含んだ飲料水の過剰摂取は要注意です。

 

思った以上に砂糖が含まれている清涼飲料水

炭酸ジュースやスポーツドリンク、甘いカフェオレ・・・甘さを感じる飲み物は、暑いときや疲れたときなどに飲むと、ほっとしますよね。しかしこれら清涼飲料水は美味しい反面、砂糖がたくさん含まれているため一日に何度も飲んでいると、虫歯を誘発する可能性が高まります。お子さんが好む乳酸菌飲料も同様です。ではよく目にする、あるいは口にする清涼飲料水にはどのくらいの砂糖が含まれているのでしょうか。1個4グラムに相当する角砂糖や一本3グラムのスティックシュガーを目安にご紹介します。

・炭酸飲料(500ml)・・・角砂糖10~16個分

炭酸飲料には色々な種類が販売されていますが、程度の差こそあれ、500mlのペットボトルにはこれほど多くの砂糖が含まれています。これを一日に何本も飲む、あるいは2ℓのペットボトルを1日で空けるとなると、相当な砂糖を摂取することになります。

・スポーツドリンク・・・3gスティックシュガー11本分

スポーツドリンクの場合、糖ではなく「炭水化物」と表示されています。これを糖度に換算すると、3グラムのスティックシュガーおよそ11本分という結果が出ているそうです。甘みを抑えるため、人工甘味料が使われているものも多くありますが、中には安全性に疑問が持たれているものもあるようです。

・缶コーヒー・・・角砂糖1~3個分

ブラックコーヒーなら砂糖が使われていないため問題はありませんが、それ以外のコーヒーにも意外と糖分は含まれています。一般的な甘さの缶コーヒーは角砂糖約3個分、微糖タイプでも角砂糖1個分の砂糖が使われており、カフェオレならもっとたくさんの砂糖が含まれていることになります。缶コーヒーを一日に何本も飲む方は、その分糖分が蓄積されることになるため、知らない間に砂糖を過剰摂取していることになります。

・乳酸菌飲料(80ml)・・・3gスティックシュガー5本分

小さなお子さんたちが大好きな乳酸菌飲料にも、多量の砂糖が使われています。注目すべきは、その容量です。よく見かけるあの小さな容器にスティックシュガー5本もの砂糖が含まれているため、小さなお子さんに与える場合は十分注意が必要です。

歯の健康のためには水かお茶を

歯のトラブルで最も多いのは、虫歯です。虫歯になる大きな要因のひとつは、砂糖の過剰摂取と摂り方です。美味しいから、喉が渇くからといって時間を決めずにだらだら飲んだり、何本も飲んでいると奥地の中が常に酸性状態となり、虫歯に進行しやすくなります。虫歯にならない飲み物は、糖分が含まれていない水またはお茶、白湯です。できるだけ水やお茶で水分補給をし、砂糖がたくさん使われている飲み物を飲むときは、本数や時間をきちんと決めておきましょう。

暑くなる時期に向けて水分補給が欠かせませんが、歯の健康のことを考えて、少し飲み物のことに注意して過ごしてみませんか?

 

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