2022年07月24日 17:59
毎日の歯磨きはお口の健康にとって欠かすことができないことは皆さんよくご存じでしょう。お口の健康に影響を与えるのは虫歯と歯周病が知られていますが、歯磨きをきちんとしていれば、虫歯や歯周病を防ぐことができるのでしょうか。
歯を失う2大トラブルである虫歯と歯周病は、どちらも細菌によって発症します。虫歯の場合はミュータンス菌などの虫歯菌、歯周病は数種類の歯周病菌が関与することで発症します。
お口の中には非常に多くの細菌が棲みついており、悪さをしない菌もあれば虫歯や歯周病を引き起こす菌も存在しており、虫歯や歯周病になるのは口内環境が清潔であるかそうでないかで決まってきます。
虫歯や歯周病が活動しやすい環境とは、プラークの有無です。プラークとは、細菌の塊で白くねばねばした物質で、虫歯や歯周病の活動の場所です。
ではプラークはどのようにして作られるのでしょうか。それは歯の間に残る食べかすの中にある糖分をエサにして作り出されます。虫歯菌が存在すれば虫歯菌が活動して酸を出し、歯周病菌がいれば歯周病菌が毒素を出して歯ぐきに炎症を引き起こします。
お口の中が清潔に保たれていれば発症リスクは低く、逆に不潔な状態が続いてしまうと当然リスクは高くなります。
このように虫歯や歯周病を引き起こすプラークは、口内環境によって左右されることがお分かりいただけることと思います。
では虫歯や歯周病を引き起こさないためには歯磨きだけで大丈夫なのでしょうか。答えは「ノー」です。どれほど念入りに歯磨きをしていても、お口の中に細菌が存在する限りプラークは形成されてしまうからです。
三度の食後にしっかり歯磨きをし、寝る前の歯磨きはより念入りに行っても、細菌をゼロにすることはまず不可能です。お口の中の細菌の多くは日和見菌でそれほど悪さをしないものがほとんどですが、口内環境が悪くなると日和見菌は悪い方へと加担し、虫歯や歯周病といった症状を引き起こしやすくなります。
食後の歯磨きと就寝前の歯磨き以外に口内環境を正常に整えるには、検診や定期的なクリーニングが欠かせません。検診やクリーニングでは自分では落としきれない歯石やプラークなどを取り除き、お口の中に存在する細菌をできるだけ落として清潔な環境へと整えます。目に見えないプラークや自分では取り除けない歯石もきれいに取り除き、虫歯や歯周病になりにくい口内環境にするには、定期検診やクリーニングなのです。
一見きれいに管理されていても、3か月もすればプラークも付きはじめ、細菌が活動しやすくなってきますので、半年に1回、できれば3か月に一回は定期検診やクリーニングを受け、虫歯や歯周病リスクを減らすようにしたいものです。
毎日の歯磨きと定期的なクリーニングで、お口の健康を維持しましょう。
2022年07月14日 09:24
受け口は、横顔のEラインを大きく乱してしまいます。全体的な歯並びに問題がなくとも、受け口は横顔の見た目と機能に大きな影響を与えてしまいます。受け口はそのままにしておくと悪化の一途をたどってしまう恐れがあります。今回は、受け口の悪影響と早期治療の重要性についてお話をいたします。
受け口は、本来なら上の前歯が下の前歯を数ミリ覆うはずが、何らかの原因で下の前歯が上の前歯を覆ってしまっている不正咬合です。反対咬合とも呼ばれており、幼少期から受け口になってしまっているお子さんもおられます。では受け口になってしまうのにはどんな原因があるのでしょうか。
受け口の原因で最も多いのが、骨格の遺伝です。ご両親や親族の中で受け口の方がいらっしゃる場合、高い確率でお子さんに受け口が遺伝します。
上の歯が内側に向けて生え、下の歯が外側に向けて生えてしまった場合、噛み合わせが上下反対になってしまうため受け口に見えてしまいます。
歯は力を加えると動く性質を持っています。出っ歯の原因が指しゃぶりに関連するのはよく知られていますが、舌で下の歯の裏を押す癖が長く続いたり、顎を突き出すといった癖も受け口の原因になってしまいます。
受け口というと、まず思い浮かぶのがしゃくれた顎で横顔の見た目が悪い、ということでしょう。確かに受け口が横顔のコンプレックスになってしまい、笑顔に自信を持てないのではないでしょうか。しかし受け口の悪いところは見た目だけではなく、歯や顎の機能にも悪影響を与えてしまいます。
受け口は奥歯も前歯も噛み合わせが合っていません。噛み合わせが合っていないと顎の関節に負担をかけ、将来的に顎関節症を引き起こす可能性があります。
受け口は、そのままにしておくとますます症状が悪化する傾向にあります。自然に治ることはまずありません。受け口の治療法としては、マルチブラケットによる矯正装置がいちばん一般的です。上顎を前に出し、下顎を後方へ下げることで正しい噛み合わせに導きます。抜歯を伴うケースも少なくありません。
ごく軽度の場合、インビザラインなどのマウスピースで治療も可能ですが、骨格のズレが大きい場合は外科治療が必要と診断されることもあります。
受け口はそのままにしておくメリットは何ひとつありません。特に子どものころから受け口の傾向がみられる場合は、早期に治療を開始することでその後の治療が変わってくることがあります。
受け口が気になる方は、できるだけ早期にかかりつけ医か専門医に相談しましょう。
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