2026年09月10日 09:00
突然ですが、皆さん「ヘリコバクター・ピロリ菌」という菌を聞いたことがありますか?
「胃の病気の原因」というイメージが強いピロリ菌ですが、近年「歯周病とピロリ菌が関係ある可能性」など、お口と胃腸が関係あることが分かってきました。
そこで今回はピロリ菌について詳しくお話していきます。
ピロリ菌とは胃粘膜に住みつくグルグルとしたらせん状の細菌で、自ら胃酸を中和して生き延びる特徴を持っています。
*主な感染経路
唾液などを通じた「家庭内感染」が約80%(特に母から子へ)を占め、5歳以下の乳幼児期に感染しやすいとされています。乳幼児は免疫力が弱く、胃酸が少ないことで菌が生き残りやすく、家族との食事や生活を共有しやすいからです。
*放置すると・・・
感染は乳幼児期に多いですが症状が出るのは大人になってからが多いです。何十年もかけて胃の粘膜をじわじわ攻撃し慢性的な炎症(胃炎)を引き起こし、進行すると胃潰瘍・十二指腸潰瘍、さらには胃がんの大きなリスクになります。(胃がんの原因の約90%を占める)
さらに、胃腸の病気だけでなく、歯周病などお口の中の病気、そしてピロリ菌感染により様々な栄養素の吸収が妨げられ栄養不足につながるなど、体全体に悪影響をもたらします。
実はピロリ菌は胃だけでなく、お口の中の歯垢や歯周ポケット、唾液中からも検出されます!また、ピロリ菌は空気の少ない場所を好む性質があるため、空気が届かない深い歯周ポケットもピロリ菌には絶好の住みかとなるのです。
そしてお口にピロリ菌が存在すると・・・
ピロリ菌は歯周病の原因菌と共存し、歯茎の炎症を悪化させる要因になります。そして歯周病が進行し歯周ポケットが深くなるとよりピロリ菌が定着しやすくなるため、さらに歯周病が悪化するという悪循環が起こります。
また、ピロリ菌がお口の中で増殖すると揮発性硫化物を生成し口臭の原因になることがあります。
ピロリ菌のせいで鉄分や亜鉛、ビタミンB12、たんぱく質などの吸収が落ち、お口の粘膜や全体の健康に影響します。
ピロリ菌の検査は一般的には内科・消化器内科で検査・除菌を行うことができます。
検査には大きく分けて「胃カメラを使わない方法」と「胃カメラを使う方法」の2種類があります。
*胃カメラを使わない検査(体に負担が少ない)
・血液、尿検査:抗体の有無を調べる手軽な検査
・尿素呼気試験:検査用の薬を飲み、吐いた息で調べる精度が高い検査
・便検査:便の中にピロリ菌があるかを調べる検査
*胃カメラを使う検査(胃の状態も一緒に確認)
・ウレアーゼ試験、組織検査:胃の粘膜を少し採取して直接ピロリ菌を調べる検査
※どの検査も100%確定というわけではないため、医師と相談しながら最適な方法を選んでいきます。
※特に女性は貧血になりやすいですが、妊娠前に貧血がある場合はピロリ菌感染の可能性があります。妊娠前の検査・除菌が推奨されています。
※お子様の場合、ピロリ菌の除菌治療は15歳から保険適用となります。
ピロリ菌の検査を行い陽性だった場合、通常除菌治療として胃酸を抑える薬と抗生物質が使用されます。
しかし、薬で胃のピロリ菌を除菌しても、お口の中にピロリ菌が残っていると唾液と一緒に胃に移動し、再び胃で感染するリスクが高まる可能性があります。
そのため、ピロリ菌の再感染を防ぐためには除菌前後の歯周病と虫歯の治療・クリーニングが成功のカギなのです。
家での歯磨きやフロス+歯科での定期的なメンテナンスで、除菌前も除菌後もお口の中を清潔に保つことが重要です。
健康診断でピロリ菌を指摘された方はもちろん除菌をおすすめしますが、指摘がなくても「もしかしてピロリ菌いるのかな・・・」と疑うことができるポイントがいくつかあります。
*お腹や全身の症状
・胃の痛み・もたれ・胸やけ、食欲不振がある
・便秘や下痢を繰り返しやすい
・理由のわからない貧血や重度のつわり(※特に女性)
*お口や歯の症状
・丁寧に磨いているのに歯茎の腫れや重度の歯周病が気になる
・虫歯になりやすい、口臭が気になる
*環境や生活習慣
・ご家族にピロリ菌感染者や胃腸障害の既往がある
もし「自分に当てはまるかも」と感じる項目があれば、胃の健康はもちろん、お口の健康を守るためにもぜひこの機会にピロリ菌検査について意識してみてください。
なお、内科などでピロリ菌の除菌を行う際は、お口の中を清潔に保つ(歯周病・虫歯治療やプロによるクリーニング)ことが成功のカギとなります。除菌を受ける予定がある方は、ぜひ当院のスタッフへもお気軽にお声がけくださいね。
〒756-0814
山口県山陽小野田市千代町1丁目8-26
(セントラルホテル 1階です。)
医療法人 敬清会 公園通り歯科
TEL: 0836-39-6983



