2026年07月12日 21:38
当院で採用している矯正治療法「Tip-Edge(ティップエッジ)法」の主な優位性は、従来の一般的なワイヤー矯正(エッジワイズ法)に比べて「非常に弱い力で、効率的かつ痛みを抑えて歯を動かせる点」にあります。
ティップエッジ法とは、ブラケットと呼ばれる、歯の表面に直接貼り付け、ワイヤーをくくりつける、「枕木」のような部品の種類の話です。
具体的な優位性は以下の4点です。
1. 痛みが少なく、歯や骨への負担が軽い(歯を移動させる矯正力が小さい)
従来のブラケットは、四角い溝にワイヤーをきっちりとはめ込み、歯を主に、平行に移動させて並べてゆこします。そのため、ワイヤーとブラケットの摩擦(フリクション)が大きく、歯を強い力で動かします。
一方、ティップエッジのブラケットは、Peter C. Kesling 先生が、1986年に開発され、溝の角がカットされた特殊な形状をしています。この形状により、ワイヤーとの摩擦が圧倒的に少なくなるため、非常に弱い力(ライトフォース:約60g程度)でより早く歯が動きます。これにより、矯正特有の締め付けられるような痛みが大幅に軽減されます。
2. 治療期間を短縮しやすい(ワイヤーとブラケットの摩擦力が少なく、弱い力でも歯を早くに動かすことができる)
ティップエッジ法では、まず「歯の頭(歯冠)」を目的の場所まで一気に傾斜移動させ、その後に「歯の根っこ(歯根)」をじわじわと起こして並べるという段階的な動き(ディファレンシャル・メカニクス)をさせます。
無駄な摩擦抵抗がないことと、この合理的なステップによって、全体的な治療期間が短くなりやすいのが特徴です。
歯を動かそうとすると、必ず、反作用が生まれます。例えば、50gで前歯を後ろに引こうとすると、引っ張られる奥歯にも50gかかるわけです。ティップエッジ法では、弱い力を使います。その力で奥歯が少し前にでて、前歯が、後ろに倒れます。(平行に動かすより、倒れるように動かす方が、より弱い力で早く動きます。)
3. 口ぼこ、出っ歯や深い噛み合わせの治療が得意
前歯が深く噛み込みすぎている症例(過蓋咬合)や、重度の出っ歯(上顎前突)の改善に高い効果を発揮します。ヘッドギアなどの大がかりな外部装置を使わずに、比較的シンプルなワイヤーの調整だけで前歯の沈み込みや後退を行うことができます。
もちろん、口ぼこ(上下顎前突)の矯正も得意です。
日本人に多い、乱ぐい歯(叢生)+口ぼこ(上下顎前突)にも、最適です。ティップエッジ法は、一歯一歯が単独で移動し、前の歯を奥に動かすのが得意な、治療法だからです。
4. 抜歯を回避できる可能性が広がる
歯を傾けながら効率よくスペースを作ったり動かしたりできるため、従来のワイヤー矯正であれば「抜歯が必要」と診断されるようなガタガタの歯並びでも、抜歯をせずに治療できるケースが増えます。
当院でも、できるだけ抜歯を避ける治療計画を立てていますが、「してはいけない拡大」をしない為には、どうしても抜歯が避けられない場合もあります。特に、口ぼこ(上下顎前突顎前突)、の解消が、患者さんの求める一番のお悩みの場合、抜歯となる場合が多いです。
当院は、開発者Peter C. Kesling 先生に直接、指導を受け、その後、セントルイス大学他で客員教授をされていた宮島邦彰先生から、アメリカ矯正学会の厳しい審査を経た、よりすぐりのエビデンスを日々、学んでいます
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