2022年01月26日 12:15
小さい頃から矯正治療を始めたお子さんで、中学生になりある程度歯並びが揃った場合、保護者の方はこのままもう少し矯正を続けさせるかどうか迷うところではないでしょうか。小さいころに行う矯正治療と、中学生くらいになってもそのまま引き続いて行う矯正治療にはいくつか違いがありますが、中学生の矯正は、どこまですべきなのでしょうか。
お子さんの矯正治療は、乳歯が生え揃った頃に行う「第一期治療」と、第一期治療後に行う「第二期治療」に分けられます。「小さいころ」と「中学生」と大まかに分けていますが、第一期治療と第二期治療では同じ子供の矯正でも、目的が異なります。
主に幼少期に行う第一期治療は、歯並びを整えるのではなく、後から生えてくる永久歯を正しい位置に導くためのスペースを作るための治療で、「床矯正」とも呼ばれています。つまり永久歯を正しい位置に並べるために顎の骨を広げることを目的としています。
床矯正は、取り外し式のプレートを歯に嵌めて過ごします。医師から指示を受けている間隔で中央に付いている小さなネジを回すと少しずつプレートが広がります。このように、第一期治療でよく行われる床矯正は、プレートの間隔を広げることで顎の骨を少しずつ広げ、永久歯が並ぶスペースを確保する、いわば土台作りを主な目的とした治療法です。この床矯正で永久歯がきれいに並ぶお子さんがほとんどです。
第二期治療は、第一期治療によってきれいに並んだ永久歯を、さらに美しく整えるための治療のことです。第二期治療で行う治療法は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正など、成人と同じ方法で行われ、噛み合わせを整える、さらに歯列を美しくするといったことを目的としています。第二期治療は永久歯が全て生えている状態、あるいは第二大臼歯が生えかけている状態から始めることができます。
お子さんにとって矯正治療というのは、大人が想像している以上に面倒くさいものなのではないでしょうか。第一期治療ではプレートの付け外しやネジ回し、毎回の調整などで時間も取られ、お子さんの時間を制限してしまうことが多いことと思います。まだ小さいお子さんにとっては遊びたいのに、歯医者に時間を取られること、そして長期間装置を付けておかなければいけないため、ストレスとなって途中で止めてしまうお子さんも少なくありません。
そんな中頑張って第一期治療を終え、やっと装置から解放されたのにまだ中学生になっても矯正を続けるのか、と考えてしまうのではないでしょうか。
中学生という表現をしていますが、中学生に限らず、第一期治療を終えたお子さんがどこまで治療を続けるのか、というのは、ご本人と保護者の方の考え次第だと思います。どこまですべきかという明確な線引きはなく、正解もありません。
しかし、中学生以降は成人になるまで顔面の骨の成長が続き、それに伴って噛み合わせにも変化が起こることが予測できます。床矯正である程度歯並びがきれいに整っても、噛み合わせのズレなどが改善されないまま成長を続けると、将来的に顎に負担がかかってしまう可能性も否めません。
引き続き第二期治療を行ったほうがよいか迷った場合、これまで矯正を担当してきた先生やかかりつけの先生に相談してみると、解決の糸口がつかめてくるのではないでしょうか。
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