河村喜英の紹介 (歯科医師になってから)

2016年03月22日 13:58

平成11年(24歳) 福岡歯科大学を卒業した私は、学生時代慣れ親しんだ、都会な福岡を離れたくないという気持ちと、Drビーチの提唱する、人間の筋肉記憶に基づいた術者にも患者さんにもストレスのない診療を学びたいという少し真面目な考えで、福岡市内にあるA診療所に勤務することにしました。ここでは、患者さんにストレスを与えにくい診療と、0コンセプトを学びました。

0コンセプトとは、医療の介入が必要なく、それぞれの人が自分で自分自身の健康管理が出来るようになった状態を医療の理想形とする考え方です。

Drビーチにより昭和50年代に、この考えは提唱されました。今でこそ、予防歯科やアンチエンジングが広く認知されていますが、当時は、決して主流派ではありませんでした。私が、学生を過ごしていた平成の始めであっても、「予防歯科が流行ったら、歯科医師の仕事がなくなる、とんでもない話だ」言うことを公然と話す教授が、「主流派」でした。

学生時代の私は、

「歯がしっかり残るほうが、人にとって幸せな事でしょ。歯を失うという人の不幸を願うなんてなんてヒドイ人達だ。それに、歯が残るように「管理をする」という仕事がきっとあるはずだ。その方がきっと楽しいよ。」

と生意気にも思っていましたので、Drビーチの0コンセプトは、私の望む歯科医療そのものでした。

平成15年(28歳)に、縁あって北九州市小倉の診療所にお世話になることになりました。小倉の診療所はそれまでの診療所と違い、非常に忙しい診療所でした。忙しくなった分お給料が増えましたので、福岡市で行われていたF先生主催の歯周病の研修会にでかけました。(歯科医師向けの研修会・勉強会は1日あたり、4,5万円しますので、研修会に参加することは簡単ではありません。)

F先生の研修を受けたことは、私にとって大きな転機となりました。今までの自分の診療が、患者さんに申し訳ないレベルだったことを知らされました。また自分と同年代の歯科医師が、自分より遥かに勉強していた事にも衝撃を受けました。

「自分はなんと、不勉強なまま診療していたのか、今まで患者さんには申しわけないことをしてきてしまった。大学や勤務先で習ったことだけでは、不十分なのだ。同年代の先生にも大きく先を越されてしまっている。せっかく、患者さんに「有り難うございます。」と言って頂ける仕事なのだから、その言葉に恥じないようしっかり勉強しよう。」

と強く思いました。それから、仕事の休みを利用しながら、勉強会や研修会に参加しました。
次の転機は、F先生の研修会で、お知り合いになったY先生の紹介で、歯内療法(歯の根っこの治療)の研修会に参加した時です。この研修会でも衝撃を受けました。

「このまま、時々講義を聞いただけでは、上達は難しい、良い先生の下で一から学び直したい。」

と感じました。
講師のY先生が勤務医を募集しているとの事、「これで一から修行ができる。」と早速、奈良県のY先生の下にゆきました。
下関→福岡→小倉と、近隣を出たことがない私にとっては大冒険でしたが、いろいろなことが学べる喜びのほうが、大きかったです。
平成17年(30歳)、奈良での勤務が始まりました。

歯科医師としては7年目、同期の中には開業する人も出てくるくらい時期です。

私も特殊な治療はともかく、普通の治療はできているつもりでした。ところが、そこでの日々は、衝撃の連続でした。普通のむし歯治療で歯を削るところから、学び直しでした。奈良の診療所で「普通に」行われている診療は、今まで見た事がないくらいレベルの高いものでした。

大学を卒業したばかりの歯科医師のように院長のアシスタントをしながら、空いた時間は模型を削って指導を受けるところから、始まりました。

私のそれまでの6年間は、ムダだったのではないだろうかと思えました。

患者さんを受け持つようになっても、診療は、一つ一つチェックを受けながら進めました。5年の「修行」のおかげで、「普通の」ことはできるようになりました。

平成22年(35歳)、Y先生の診療所に、院長が突然亡くなってしまって閉院したある診療所を手伝って欲しいという話がきました。そこで、私にやってみないかということになりました。一から組織を立ち上げてみたいと思っていたところでしたので、引き受けることにしました。ここでの経験は、開業後に大いに活かされることになりました。この診療所を手伝いながら、Y先生の診療所での「修行」はさらに2年間続きます。
Y先生の診療所での7年の勤務は、私を大きく成長させました。

Y先生には、歯科医師として基本的技術を教えていただきました。素晴らしい師に出会えた事は、私にとって幸運でした。

28歳の時に、自分のレベルのあまりの低さに衝撃を受けてから9年かかりましたが、ようやく合格点レベルになれたと思いました。

しかし、自分より優秀で上手な先生は、沢山おられますので、患者さんには、申しわけない気持ちと感謝の気持ちをもって日々診療にあたっています。今でも、月に1-2回は研修会に出かけよりよい診療ができるよう、わずかですが努力しております。

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