二次カリエスについて

2019年01月22日 10:02

以前虫歯治療を行った歯が何となく調子が悪いと感じることはありませんか?噛むと何となく違和感がある、詰め物や銀歯が取れてしまった・・・。このような症状で考えられるのは「二次カリエス」です。

 

治療した歯の下で再び虫歯になる「二次カリエス」

 

治療した歯は完治したわけではありません。と言うよりも、いちど削って治療した歯は、常に再発と背中合わせの状態であり、歯を失うスタートラインに立ってしまったのです。

虫歯になると、まず虫歯部分を削って感染箇所をきれいにし、程度が浅ければレジンで修復を行います。神経に近い部分や、神経まで達した虫歯の場合は、インレーと呼ばれる詰め物や、クラウンと呼ばれる被せ物を装着して機能を回復させます。

この虫歯治療ですが、一見すると虫歯部分を取り除いて完治したように思えるかもしれません。痛みもなくなり、「ああ治った」とホッとするでしょう。

しかし、レジンや銀歯などで治療を行った歯は、高い確率で再び虫歯になってしまいます。特に銀歯は金属のため強度は優れていますが、その素材上、どうしても歯にぴったりと密着しません。歯と金属の間にわずかな段差が生じ、そこから虫歯菌が入り込んで再び内部で虫歯が発症してしまうのです。

 

二次カリエスのリスクをできるだけ抑えるためには

いちど歯を削って治療をすると、誰でも二次カリエスのリスクは持ち合わせてしまいます。そして残念ながら、二次カリエスの発症を完璧に押さえ込むことは不可能なのです。

しかし、素材と今後のメンテナンス次第では、二次カリエス発症リスクを低減させることが可能となる場合があります。

 

・素材をセラミック系のものに変える

保険適用の素材はレジンと金属(金銀パラジウム合金)です。安価で治療できる反面、細菌が付着しやすい素材であること、そして金属は接着ではなく、合着という方法で歯に付けるため、わずかながら段差が生じてしまいます。この素材をセラミックに変えることで、二次カリエスの発症を低くすることが可能と考えられます。というのも、セラミックはなめらかでザラつきがないため、周囲にプラークが付きにくいためです。

加えてセラミックの補綴物は合着の金属と異なり、接着という方法で機能を修復します。そのため歯との密着性がよく、隙間が生じにくいためセメントが劣化せず、虫歯菌が侵入しにくくなります。見た目も美しいため、機能性と審美性を兼ね備えた素材といえるでしょう。

 

・定期検診をきちんと受ける

どんなによいセラミック素材を使っていても、完璧に虫歯菌の侵入を抑え込めるとは限りません。もっとも大切なことは、定期検診をきちんと受けることです。お口の中のプラークは、約3ヶ月で形成されると言われています。「セラミックだから安心」と思っていると、別の歯が虫歯や歯周炎になってしまうことがあります。定期検診は、健康な歯や治療した歯に異常はないかどうかを確認し、お口の中の健康を維持するために欠かせません。二次カリエスを防ぐだけでなく、お口の健康のためにも、定期検診は必ず受診するようにしましょう。

 

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入れ歯の臭いを防ぐためには

2019年01月09日 08:54

虫歯や歯周病などで歯を失ってしまった場合、噛む機能を回復させる手段として最もスタンダードな治療法が、入れ歯です。入れ歯は固定式のインプラントやブリッジと異なり、取り外し式で手入れも比較的手間がかかりません。それにも関わらず、「入れ歯=臭い」というイメージが先行し、実際に手入れがきちんと行われていない入れ歯は非常によく見られます。今回は、入れ歯の臭いを中心にお話を進めてまいります。

 

入れ歯が臭う原因の多くは素材によるもの?

入れ歯のよい点として、年齢や持病に関係なく、誰でも治療が可能なことです。インプラントは持病がある場合や、あまりにも高齢の場合などは、インプラントによる治療を見合わせるケースがあります。またブリッジは、失った歯の両隣の歯が健全であり、しかもその歯をたくさん削らなければならないことに大きなリスクを抱えることになります。

このようなことを考慮すると、入れ歯は制限を受けることがほとんどなく、全国のほとんどの歯科医院で取り扱っている治療法であることから、非常に治療しやすいと言えます。

そして保険適用であることから、治療費を抑えて噛む機能を回復することができるのは、経済面でとても大きいでしょう。

 

しかし、この保険適用の入れ歯こそが、「入れ歯は臭いが気になる」大きな原因なのです。

保険適用の入れ歯は素材がプラスチックで作られています。プラスチックは傷が付きやすく、使っていくうちに細かな傷がついてしまいます。そこへ食べかすや細菌が入り込むことで臭いの原因となってしまうのです。

また保険の部分入れ歯はバネがついており、自分の歯にバネをひっかけて使います。このバネをかける歯に汚れが付きやすく、プラーク化して虫歯や歯周病を引き起こすことも、入れ歯特有の臭いの原因と言われています。

自費の入れ歯でも臭いの原因はありますが、保険の入れ歯は、特にこのような理由で臭いが付きやすくなってしまうため、入れ歯は臭い、と思われてしまうのでしょう。

 

入れ歯を快適に使うためには

入れ歯は、失ったご自身の歯の代わりとなる大切な存在です。今後の体の健康を維持するためにも、入れ歯は快適に使わなければいけません。入れ歯による口臭を防ぎ、長持ちさせるためには、普段からのお手入れがとても重要です。これは保険のものでも自費のものでも同じで、いかに入れ歯を清潔に保つかどうかが重要です。

まず、毎食後ごとに入れ歯を外し、流水でさっと食べかすや汚れを落としましょう。

また就寝前には入れ歯洗浄剤を使い、一日使った入れ歯の雑菌を取り除きます。朝でも構いません。入れ歯洗浄剤を使うことで、流水だけでは落としきれない汚れや雑菌を取り除きます。

禁止事項として挙げることは、入れ歯をつけたまま何日も過ごさないこと、入れ歯を洗う際に、研磨剤の入った歯磨き剤でゴシゴシと洗うこと、そして消毒になるからといって、熱湯を使った消毒を行うことです。入れ歯が傷ついたり、変形する恐れがあります。床が金属の入れ歯は、変形の恐れはあまりありませんが、保険の入れ歯の場合、傷つきやすく、熱湯に弱いため入れ歯が使えなくなる恐れがあります。

 

そして最も大切なことは、お口の中を清潔に保つことです。入れ歯になってしまった理由は何でしょうか。歯の健康を維持するためにも、残っているご自身の歯を大切にすることが、快適な入れ歯生活に繋がるのです。

 

 

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よく噛むことの大切さ

2019年01月05日 08:27


健康な体は、よく噛むことから始まります。普段何気なく食事を行っていることが、実は体の健康にとって非常に重要な役割を果たしているのです。今回は、「よく噛んで食べること」の大切さについてお話をしたいと思います。

 

よく噛むことの大切さとは

小さい頃、「よく噛んで食べなさい」と言われたことがある人は非常に多いと思います。よく噛んで食べることには色々な理由があり、それは体の健康と密接な関係があるのです。ではよく噛んで食べることで、どのような効果が期待できるのでしょうか。

 

・唾液の分泌を促し、虫歯や歯周病の原因となる細菌の繁殖を抑える

・口臭を防ぐ

・消化を促進する

・脳を活性化し、認知症などを予防する

・食べ過ぎを防止し、生活習慣病を防ぐ

・顎の発達を促し、歯並びの改善を導く

 

このように、しっかり噛むことはお口の周りだけでなく、全身の健康にも不買う繋がっていることがおわかりいただけると思います。まずよく噛むこと唾液がしっかりと分泌されます。唾液には様々な働きがあり、お口の中のトラブルを軽減します。特に虫歯や歯周病といった細菌の増殖を抑える効果が期待できます。

また唾液が少ないと口腔内の細菌が増え、口臭の原因となりますが、よく噛むことで唾液がたっぷりと分泌され、口臭を緩和してくれます。

そして脳を活性化し、物忘れや認知症といった脳に関するトラブルを抑制する働きがあることもわかっています。その他、よく噛むことで肥満を防止し、生活習慣病を防ぐ働きがあることや、顎の発達を促して、正しい位置に歯列を導く効果があるなど、しっかり噛むことはお口と体のあらゆる面に対して高い効果を発揮するのです。

 

よく噛むためには、よい歯並びが必要

よく噛むことが、全身の健康にとって非常に大切であることをお伝えしました。特に歯並びが悪い方は噛み合わせにも異常がある場合が多く、いつも同じ側で噛んで食事を行いがちです。

同じ側ばかり噛んでいると、顔の歪みにも繋がってしまいます。出っ歯やオープンバイトといった噛み合わせの場合、前歯で噛み切ることができません。

このように、噛み合わせに異常がある場合、しっかりと咀嚼することが難しく、口腔機能や体の健康にも影響が出てしまうことも考えられます。

歯並びの乱れや噛み合わせの異常がある場合は歯列矯正を行うことで、歯列や噛み合わせを改善することができます。特に噛み合わせを正しく整えることは、全身の健康にも大きな影響を与えるのです。

しっかり噛んで健康な体を作るためにも、歯並びの乱れや噛み合わせがおかしいと感じる方は、矯正治療を検討してみるとよいでしょう。

 

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以前治療した歯が変色していませんか?

2018年12月29日 10:10

鏡を見たときに、歯の色に違いに気づくことはありませんか?それは以前治療した治療痕の劣化が原因かもしれません。歯全体に着色が付いている場合は、全体の黄ばみやくすみが見られますが、以前治療した部分の劣化はその部分だけが変色するのです。

 

保険適用のレジンは安価ですが変色しやすいというデメリットが

浅い虫歯の場合、虫歯部分を削ってレジンという歯科用プラスチックを詰めて修復します。見た目は歯の色にいちばん近い色調のものを選んで詰めて治療するため、一見すると虫歯治療を行ったようには見えません。しかしレジンによる治療は保険適用のため安価で済みますが、年数が経つとともに劣化し、変色しやすいというデメリットがあります。

 

レジンは樹脂素材で作られており、傷がつきやすいのです。プラスチックのコップを想像していただければおわかりになると思いますが、使っていくうちに表面に細かな傷がたくさん付いてしまいます。歯科用レジンも同じで、年数が経つにつれて傷がつき、そこへ日常の飲食によるステインがついて変色します。

また細菌も付きやすく、プラーク形成の原因となってしまうため、治療した部分から再び虫歯になる二次カリエスを引き起こしやすくなってしまうのです。前歯の治療の場合、表側は白いレジンを使うため、長期間使用していくとだんだん黄ばみが起こり、他の歯との色の違いがはっきりと浮き出てしまうのです。

最も目立つ前歯の差し歯がまっ黄色に変色した歯は、不潔感すら感じる人もいるのではないでしょうか。

 

セラミックを使った治療は審美性、耐久性ともに優れています

いっぽうセラミックを使った治療なら審美性、耐久性ともに保険診療のレジンよりもずっと優れています。セラミックは滑らかで汚れがつきにくく、着色もしにくい優れたメリットがあります。

セラミックを使った詰め物、被せ物には色々な種類がありますが、特に審美性、耐久性に優れているのはジルコニアセラミックです。ジルコニアは人工ダイヤモンドと呼ばれるほど強度が強く、金属と比べても遜色ありません。そこへセラミックを焼き付けることにより、美しく強度に優れた被せ物を装着することができるのです。

費用は自費となるため、保険診療と比べると格段に高くなります。しかし保険診療は再治療を繰り返しやすく、そのたび歯を削る必要があります。歯は削るたびにどんどん寿命が短くなり、歯を失ってしまう結果を招いてしまいます。歯を失うと、今度は入れ歯やインプラントの治療が待っており、結果的に治療費が重なってしまいます。

このようなことから考えても、高いと思いがちなセラミック治療を行うことで、結果的に費用を抑えることができる可能性が高くなるでしょう。

見た目の清潔・不潔は印象に決定的な差をつけます。鏡を見て歯の色の違いにギョッとしたら、まずは歯科医院に相談してみましょう。

 

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その痛み、知覚過敏かも?

2018年12月28日 15:20

 

寒いこの季節、冷たい風や歯磨きのときに「キーン」とした痛みを感じることはありませんか?虫歯かも、と思って鏡を見ても、歯は黒くなっていないのに、歯がキーンと痛んだりチクチクするような痛みがある場合、知覚過敏が考えられます。

 

知覚過敏の症状と原因について

知覚過敏とは、冷たい水や甘いもの、歯磨きのとき、風に当たったときなどに感じる歯の痛みです。ほとんどは一過性のもので、虫歯や神経に炎症が見当たらない場合に知覚過敏と診断される症状を言います。

またホワイトニング後に一時的に歯が滲みる場合も、知覚過敏と考えられます。

 

知覚過敏は、歯の内部にある象牙質が刺激を感じ取ることで痛みとなって現れます。歯の表面のエナメル質は痛みを感じず、冷たいものが触れても症状は出ません。

象牙質の内側には神経が通っており、痛みなどの刺激を感じ取ります。エナメル質が薄くなっていたり神経が露出していたりすると、その刺激が痛みとなって伝わります。では知覚過敏の原因は何でしょうか。

 

・歯周病の進行による歯ぐき下がり

・乱暴なブラッシングによる歯ぐきやエナメル質の磨耗

・歯軋りや酸蝕症(酸によって歯が溶ける症状)による象牙質の露出

・歯の破折

・ホワイトニング後の刺激

 

最も多いのが、歯周病の進行や加齢に伴う歯ぐき下がりです。歯ぐきが下がると歯の根元が露出します。歯の根元はエナメル質に覆われておらず、象牙質がむき出しの状態となっています。このため冷たいものなどの刺激が痛みとなって伝わります。

乱暴なブラッシングも歯ぐきやエナメル質を磨耗させ、象牙質への刺激が伝わりやすくなります。ゴシゴシと強い力で磨く人に見られがちな症状です。

無意識に行ってしまう歯軋りや食いしばりも、知覚過敏を引き起こす原因になります。歯の先端部分が磨耗して磨り減り、象牙質が露出してしまいます。また酸蝕症と呼ばれる症状の型にも知覚過敏は起こります。酸蝕症は、日常的に酸性のものを長期間にわたって摂取することで、歯の表面が解けてしまう症状を言います。エナメル質は酸に弱く、虫歯でなくとも酸を長時間、長期間摂取することでエナメル質が溶け、痛みを感じるようになります。

そしてホワイトニング後も一過性の知覚過敏がよく起こります。なぜホワイトニングを行ったあとに知覚過敏が起こるのかは不明ですが、こちらは時間とともに症状は治まります。ただしホームホワイトニングは、マウスピース装着時間を必ず守って下さい。

 

知覚過敏の治療法と予防について

知覚過敏の治療法は、しみ止めを塗る、磨耗が激しい場合は、虫歯治療で使うレジンを使って象牙質を保護するといった治療法が一般的です。

ただし痛みが強く、しみ止めでは対処できない、また痛みが持続する場合は、神経を取り除くこともやむをえない場合があります。

知覚過敏を予防する方法は残念ながら不明です。しかしご自身で気を付けることで、ある程度予防は可能です。まずは歯周病を悪化させないことです。日頃からブラッシングを丁寧に行い、歯科医院で歯石除去やクリーニングを定期的に受けることでプラークの付着を防ぎ、歯周病の予防をすることが可能です。

またブラッシングは優しく丁寧に行いましょう。歯ブラシの毛先がきちんと当たっていれば、力を入れる必要がありません。

ただし、知覚過敏だと思っていたら虫歯だった、というケースもあります。痛みがある場合は自己判断せず、早めに歯科医院を受診して下さい。

 

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銀歯が臭い!被せ物にも寿命があるの?

2018年12月24日 16:57

口の中が何となく苦い味がする、またフロスを通したときにイヤな臭いがするのは、もしかしたら銀歯が原因かもしれません。ではなぜ銀歯が臭いの原因になるのでしょうか。

 

銀歯の部分が臭い原因とは?

フロスや歯間ブラシを通したとき、銀歯の部分だけが何とも言えない不快な臭いを放つことがあります。銀歯の部分が臭くなる理由として考えられるのは

 

・銀歯の周囲に細菌が溜まることでイヤな臭いを発する

・銀歯の中で虫歯が発生し、イヤな臭いを放つ

・歯周病により臭いを放つ

 

お口の中には非常に多くの細菌が棲みついています。銀歯の場合、どんなに精密に作製しても、歯と銀歯の間に段差が生じるため、細菌が溜まりやすくなります。毎日歯間ブラシなどを使うことである程度軽減できますが、数日でも欠かすとすぐに臭いがしてしまいます。

銀歯の中で新たに発症する虫歯を、二次カリエスと言います。虫歯は細菌感染のため、そのままにしておくと悪臭を放つ場合があります。二次カリエスのために銀歯が取れてしまったとき、状態が悪くなければ再接着することができます。その際銀歯の汚れを取ったり磨いたりしてから再接着しますが、汚れを取っているときの臭いは強烈です。

歯周病も臭いの原因になります。歯周病菌によって膿が溜まると、悪臭を放ちます。銀歯の周りはプラークが溜まりやすいので歯周病が進行しやすく、それによって口臭がきつくなる特徴があります。

 

銀歯の寿命はどのくらい?

では銀歯の寿命はどのくらいなのでしょうか。噛めるから大丈夫、と思うかもしれませんが、銀歯には寿命があり、再治療を必要とする時期がやってきます。状態にもよりますが、一般的に銀歯の寿命は5~7年程度と言えます。銀歯が臭い出したら再治療、再作製のサインと言えるでしょう。また二次カリエスは自覚症状がないため、再治療の時期に気づきにくくなります。

 

寿命が長いセラミックを使った被せ物

銀歯はどうしても細菌が付着しやすい上、セメントが溶け出して劣化してしまいます。そのため寿命が短く、歯にとっても良い影響を与えません。

再治療を行うのなら、オールセラミックやジルコニアセラミックなど、セラミックを使った治療が適しています。と言うのも、セラミックは銀歯のように歯と補綴物との境目に段差が生じにくいこと、そしてセラミックの素材の特徴である汚れやプラークが付きにくいため、お口の中の衛生状態を保ちやすくなります。

二次カリエスのリスクも低いため、劣化しにくく、銀歯と比較して被せ物と歯そのものを長持ちさせることが可能となります。審美面も優れており、機能と見た目を兼ね備えた治療法と言えるでしょう。被せ物の臭いに悩む方は、セラミック治療を選択肢として考えてみるとよいのではないでしょうか。

 

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八重歯は可愛いけれど・・・?

2018年12月19日 08:16

 

笑うとチラッと見える八重歯は、チャーミングで可愛らしいイメージがあると思います。しかし、可愛い見かけとは裏腹に、お口にとってリスクのある歯なのです。

 

八重歯が可愛いと思われているのは日本だけ・・・?

八重歯とは、前歯から3番目である犬歯が、他の歯よりも上のほうから生えている歯です。日本では以前、八重歯が見えるアイドルが人気を集めており、八重歯=可愛い、チャーミングという印象が強いのではないでしょうか。実際、「付け八重歯」を取り扱う歯科クリニックも存在するくらい、日本では八重歯はどちらかといえば歯並びが悪いというマイナスよりも、可愛いというプラスのイメージが強い傾向があります。

しかし、八重歯が可愛いと思われているのは実は世界で日本くらいなのです。海外では、八重歯はマイナスのイメージがあり、欧米や中国では忌み嫌われているとも言われています。

実際、欧米の俳優やアーティスト、プロアスリートなどは歯並びが揃っており、八重歯はほとんど見かけません。海外では歯並びの良さがステイタスであり、歯並びに問題があると、積極的に歯列矯正を行うほど歯並びの良さを重視する傾向があります。

 

八重歯による影響とは?

そもそも八重歯があるということは、犬歯が正しいスペースに並ばないため、上方から生えてしまっている歯並びの乱れです。では八重歯があることで、お口の中にどのような影響があるのでしょうか。

 

・虫歯

・歯肉炎や歯周炎

・唇や口の中を傷つける

 

八重歯があることで、隣の歯(前から2番目の歯)が隠れてしまって歯磨きが行いにくくなります。そのため着色が付きやすいほか、磨き残しによるプラークが形成されやすくなってしまいます。プラークが形成されると、そこへ虫歯菌や歯周病菌が棲みついて、酸や毒素を放出し、虫歯や歯肉炎などを引き起こしてしまいます。

また犬歯は他の歯と形状が若干異なり、やや尖っています。八重歯は他の歯列よりも前方へ出ているため、唇や口の中を傷つけてしまうとも言われていますが、実際の症例はあまり聞きません。やはり歯磨きが行いにくいことによる虫歯や歯周病リスクが問題点だと言えるでしょう。

 

お口の中の健康のためにも、歯列矯正がベスト

見た目には問題がなくても、八重歯をそのままにしておくと、上でご紹介した虫歯や歯周病リスクを抱えることになります。歯列に問題があるため、リスクを低減するためにも歯列矯正が望ましいでしょう。矯正方法としては、子どもの場合は顎の骨を広げてスペースを確保する床矯正を行ってからブラケット矯正を行うことが一般的です。

成人では症例により小臼歯を抜歯後、ブラケット矯正を行います。抜歯を行わずに矯正できる場合もあるため、担当医とよく相談して矯正方法を決めるとよいでしょう。

 

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歯に優しい素材、ゴールド

2018年12月07日 23:00

補綴物には色々な素材があり、オールセラミックやジルコニアセラミックなどのセラミックを使った素材は、審美的に美しく、歯に優しいと言われています。これに対し、金属素材はお口の中に金属が目立ち、審美的に劣ります。そして金属素材は、金属アレルギーや歯ぐきの色素沈着であるメタルタトゥーを引き起こしやすいと言われており、できれば避けたほうがよい素材であもあります。

しかし、実は歯にいちばん優しい素材は「ゴールド(金)」なのです。

 

ゴールドの良さとは?

ゴールドが最も優れた素材と聞いて、大多数の方は「え?ゴールドって金属じゃないの?」と思われるかもしれません。金属は金属でも、避けたほうがよい金属は「金銀パラジウム合金」です。金銀パラジウム合金は腐食しやすく、年数が経つにつれてイオン化したものが流れ出ることで体内に取り込まれ、金属アレルギーやメタルタトゥーを引き起こしやすくなります。

これに対し、同じ金属でもゴールドは腐食しにくく耐久性に非常に優れているという特徴があります。また伸びがよく、歯にフィットしやすいことから歯に優しく、対合の歯を痛めません。

オールセラミックやジルコニアセラミック、メタルボンドはそれぞれにデメリットも存在します。オールセラミックは強度に若干の不安があり、奥歯にはあまり適していません。ジルコニアセラミックは強度が非常に強いため、対合の歯を痛めやすいというリスクがあります。メタルボンドは内側に使用した金属が、メタルタトゥーを引き起こす可能性があります。

ゴールドは自費治療となります。審美面では金属色が目立ってしまいますが、上に挙げたセラミック系の補綴物は、機能や対合の歯にデメリットがありますが、ゴールドは審美面以外ではデメリットがまず見当たりません。歯に優しく、機能にも優れているという面で、ゴールドは最も優れた補綴物と言えるでしょう。

 

非常に長持ちする素材

ゴールドはセラミックに比べて歴史が長く、安定した補綴物です。非常に寿命が長いうえ、プラークが付着しにくい素材のため二次カリエスになりにくく、再治療のリスクが低いことも特徴です。腐食しにくいため、長い人では60年経っても再治療を行っていないという実績もあるようです。

審美面では前歯に使うことはまずありませんが、上顎の奥歯はほとんど目立ちません。また対合の歯のことを考えても、臼歯部にゴールドを使うことは非常にメリットが多いと言えるでしょう。

価格が高いことはネックになるかもしれません。しかし長い目で考え、歯に優しいゴールドを選択肢に考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

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インレーにはどんな種類があるの?保険のインレーのデメリットは?

2018年11月28日 14:51

 

虫歯治療で神経に近い部分まで虫歯が進行していた場合、インレーと呼ばれる詰め物を詰めて削った部分を修復します。インレーには保険適用のものと自費のものがありますが、それぞれどんな種類があるのでしょうか。また保険のインレーのデメリットについてもご紹介いたします。

 

インレーとは?

インレーとは、虫歯治療などで歯を削ったときに詰める人工の詰め物です。虫歯の範囲が浅い場合、レジンというプラスチックを詰めて削った部分を補います。しかし神経の近くまで虫歯が進行しており、レジンで修復が難しい場合は型取りを行って詰め物を詰めます。この詰め物をインレーと言い、治療回数は一度では終わらない治療となります。

 

インレーの種類

インレーには保険適用のものと保険適用外のものがあります。保険適用の場合、俗に言われている「銀歯」で金銀パラジウム合金を使った金属の詰め物です。

 

<保険適用>

・メタルインレー

保険適用のインレーの大部分を占めるインレーです。強度に優れていますが、経年劣化により歯とインレーの隙間から虫歯菌が入り込んで内部で再び虫歯になる「二次カリエス」のリスクが非常に高い治療法です。再治療を繰り返しやすいことが最大のデメリットです。

 

・CRインレー

型取りを行ったあとレジンを使って作製されるインレーです。比較的歯の色に近い色調で作られるため、ぱっと見た感じでは詰め物が入れてあるようには見えません。しかしレジンは金属よりも強度が劣るため、歯によってはインレーが割れる可能性があります。また保険点数が低く、導入している歯科医院はあまりないと言われています。

 

<保険適用外>

保険適用外のインレーは白く強度の高いものが多いため、審美面、機能面において保険のものよりも優れていると考えられます。

・ハイブリッドセラミックインレー

セラミックとレジンを混ぜたもので、自然な色調と強度に優れていることが特徴です。

・e-maxインレー

次世代セラミックと言われているe-maxによるインレーです。

・ゴールドインレー

金属の中でもゴールドは伸びがよく腐食しにくいため、対合の歯を痛めず、インレーの中では最も優れていると言われています。ただし金の価格が沸騰しているため、費用が高くなることがデメリットです。

 

二次カリエスのリスクを抑えるためには金銀パラジウム合金は避けたほうが無難

インレーの種類についてご紹介しました。保険治療を行った際、そのほとんどが金銀パラジウム合金による銀歯です。安価で治療できますが、歯とインレーの境目に段差が生じてしまうため、接着ではなく「合着」という接着方法となってしまいます。合着の場合、どうしても素材の特徴上ぴったりと密着しません。そのため年数が経つとともにセメントが流れ出し、インレーが浮き上がってしまって隙間から虫歯菌が入り込みやすくなります。再治療を繰り返してしまう保険のインレーのリスクを考えると、少々価格が高くなっても、密着性に優れている自費の素材を選ぶほうがベターでしょう。

なお保険外のインレーの種類は歯科医院によって取り扱っていないものもあります。歯科医師とよく相談し、歯を長持ちできる素材を選ぶとよいでしょう。

 

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セラミック治療でも根元が黒く見えるのはなぜ?

2018年11月25日 18:46

 

せっかくセラミック治療を行ったのに、年数が経つにつれて歯ぐきの根元が黒ずんで見えてしまうことがあります。高い費用を出してセラミッククラウンを装着したのになぜ?と思うかもしれません。セラミックを使った被せ物にはいくつか種類があり、その中には金属が使われているものもあるため、年齢とともに歯ぐきが下がると金属の部分が見えてしまうことがあるのです。

 

セラミックの被せ物なのに、なぜ根元が黒っぽく見えてしまうのか

歯科で使用されるセラミックは、透明感のある白さで、口元を美しく見せてくれる審美性に優れた素材です。プラークが付きにくく、二次カリエスになりにくいため、歯の健康を維持できることも特徴のひとつです。

セラミックの被せ物にはいくつか種類があり、主なものとしてオールセラミッククラウン、ジルコニアセラミッククラウン、e-max、ハイブリッドセラミッククラウンそしてメタルボンドがあります。

では白く美しい口元を作り出すセラミッククラウンの中で、経年とともに審美性に問題が生じやすくなるのはいったいどれなのでしょうか。それは「メタルボンド」です。メタルボンドは内側に金属が使われており、表面にセラミックを焼き付けたクラウンで、強度と審美性に優れた素材です。

しかし年齢を重ねるにつれ、歯ぐきは徐々に下がってしまうと、内側の金属が見えてしまいます。そのため歯の根元が黒く見えるのです。

メタルボンドはセラミッククラウンの中でも歴史が長く、ジルコニアセラミックやe-maxといった比較的新しいセラミッククラウンと比較しても見劣りしません。

ところが長い目で見ると、歯ぐきが下がった際にどうしても内側の金属が見えてしまう可能性が非常に高くなることが予想されるため、「こんなはずではなかった」と後悔するケースも考えられます。

 

将来のことを考えると、メタルボンド以外のセラミッククラウンがおすすめ

セラミックは耐久性に優れており、長く白い歯をキープできる大きなメリットがあります。しかし上でも述べたとおり、歯ぐきが下がってしまった場合、メタルボンドは内側の金属が見えてしまい、審美性を損ねてしまいます。

いっぽう歯ぐきの根元の黒ずみが心配な方は、メタルボンド以外のセラミッククラウンを選択することで、根元の黒ずみは起こりません。特にオールセラミッククラウンやジルコニアセラミッククラウンは審美性が考慮された素材で、土台となる芯も金属ではなく、ファイバーコアという樹脂を使った白いものが使われるため、歯ぐきが下がっても根元が黒ずむ心配はありません。将来のことを見据えてメタルボンドは避け、オールセラミッククラウンなど金属が一切使われていない素材を選ぶことで、いつまでも美しい口元で毎日を過ごすことができるのです。

 

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