「オープンバイト」のリスクをご存知ですか?

2019年07月23日 11:48

不正咬合は見た目だけでなく、お口の健康にさまざまな悪影響を与えてしまいます。不正咬合は出っ歯、受け口がよく知られていますが、「オープンバイト」をご存知でしょうか。オープンバイトは不正咬合の中でも極めて重篤な影響をもたらしてしまいます。今回はオープンバイトについてお話をしたいと思います。

 

オープンバイトとは

出っ歯や受け口はよく聞きますが、オープンバイトという言葉はあまり聞いたことがないかもしれません。オープンバイトは「開咬」とも言い、噛んだときに上下の歯に隙間ができる噛み合わせを言います。オープンバイトには2種類あり、奥歯で噛んだときに上下の前歯の間に隙間ができる「前歯部開咬」と、前歯で噛んだときに奥歯に隙間ができる「臼歯部開咬」があります。多いのは前歯に隙間ができる前歯部開咬でしょう。

歯列が乱れていなくても、オープンバイトになっているかも・・・

一見きれいに見える歯並びでも、奥歯で噛んだときに、前歯に隙間が生じていると、オープンバイトと診断されます。また歯並びが乱れている上、オープンバイトになっていることも少なくありません。要は、歯並びに関係なく上下の噛み合わせがきちんと合っておらず、前歯か臼歯部に隙間が生じる状態が、オープンバイトの定義と言えるでしょう。

 

オープンバイトによる悪影響とは

では、オープンバイトだとどのような影響が出てしまうのでしょうか。

・前歯部開咬の場合、前歯で食べ物を噛み切れない

・咀嚼しにくく、胃腸に負担がかかりやすい

・発音が不明瞭になる

・奥歯に大きな負担がかかるため、歯の寿命に関わってしまう

・隙間があることでお口の中が乾燥し、虫歯や歯周病リスクが高まってしまう

 

オープンバイトの要因は?

不正咬合の要因は様々ですが、オープンバイトの場合はどうでしょうか。オープンバイトの大きな要因は、まず遺伝です。両親がオープンバイトの場合、お子さんがオープンバイトになる可能性は極めて高くなります。骨格は遺伝しやすいため、どうしてもその要因を引き継いでしまうのでしょう。

その他の要因として、舌の悪癖、幼少期の長期間にわたる指しゃぶり、頬杖、口呼吸などの悪癖が挙げられます。日常の悪癖が長期間行われると、オープンバイトでなくとも出っ歯の原因になることはよく知られています。

オープンバイトの改善法

オープンバイトをそのままにしておくと、良いことはひとつもありません。むしろ奥歯に大きな負担がかかることで、歯や顎にもダメージが加わってしまいます。オープンバイトと診断されたら、できるだけ早めに治療を始めたほうがよいでしょう。

改善方法は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正のほか、舌の悪癖を直し、口周りの筋機能を高めるMFTという口腔筋機能療法を取り入れることで、改善を促していくことがあります。と言うのも、矯正治療でオープンバイトを改善しても、舌の悪癖が残っていると再びオープンバイトになってしまう可能性があるからです。

オープンバイトは早めに、そしてきちんと治しておきたい不正咬合です。オープンバイトと診断されたらできるだけ早めに歯科医院で相談してみて下さい。

 

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神経を取った歯の黒ずみは改善できるの?

2019年07月16日 10:18

ひどい虫歯などで歯の神経を取ってしまった歯は、根元が濃いグレーに変色してしまいます。特に前歯だとこの変色が目立ってしまうため、ホワイトニングで白くしたいと思われるかもしれません。では神経を取った歯の変色は、ホワイトニングで白くなるのでしょうか。

神経を取った歯の変色の原因とは

虫歯が神経まで達していたり、事故などで歯が折れ、そこから細菌感染が認められた場合、細菌に汚染された神経の管を取り除いてきれいにする根管治療が行われます。神経を取り除くときに組織の取り残しや血液が残っていると歯が変色してしまいます。特に血液には鉄分がたくさん含まれているため、血液が残っていると黒っぽく変色してしまいます。また細菌感染が起こっているにも関わらず、適切な治療が行われずに過ごしているとやがて神経は死んでしまいます。この場合も、歯の変色が起こることがあります。

 

神経を取り除いた歯はホワイトニングでは白くならないのでしょうか

残念ながら、神経を取り除いた歯の変色は、ホワイトニングではほとんど白くなりません。と言うのも、通常のホワイトニングは生活歯(神経がある歯)にのみ効果があり、神経を取り除いた失活歯の場合、変色の原因がホワイトニングジェルで分解できないためです。変色の原因が組織の取り残しや血液の残骸の場合、まずホワイトニングでは効果が現れません。いっぽう神経が死んでしまった歯の変色の場合、ホワイトニングである程度白くできる可能性はありますが、必ずしも白くなる保証はないと言えるでしょう。神経がない歯の見た目を改善するためには、以下の方法が挙げられます。

ウォーキングブリーチ・・・神経の治療を行ったときの穴に薬剤を注入して、少しずつ歯の内部に浸透される方法です。何度か行いながら、他の歯と同じような色に戻すことが可能です。ただしウォーキングブリーチは保険適用外となります。また歯に十分な厚みがあることが条件として挙げられます。

セラミック治療・・・歯の厚みが十分でない場合、ウォーキングブリーチではなくセラミッククラウンなど審美性の高い被せ物を被せて歯の色を白く戻します。また歯の表面にセラミックでできた薄い付け爪のようなものを貼り付けるラミネートベニアも効果的です。なおセラミッククラウンは歯を削る必要があるため、歯を削ることに抵抗がある方にはおすすめできません。

 

神経を取った歯の変色にお悩みの方は、いちど歯科医院で相談を

ホワイトニングは、神経がある天然歯のみに作用するため失活歯には効果がほとんど現れません。しかし前歯の場合、かなり変色や黒住が目立ってしまうため、気になってしまうことと思います。ウォーキングブリーチなど神経のない歯の変色にも適した治療法があるため、歯の変色でお悩みの方はいちど歯科医院で相談してみてください。

 

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お子さんの歯の虫歯リスクについて

2019年07月09日 07:10

甘いお菓子やジュースはお子さんの大好物。いちどその美味しさを知ってしまうと、すぐに欲しがってしまいますよね。また泣いてしまうと、ついご機嫌を取ろうとして甘いお菓子をあげてしまうことはありませんか?子どもの歯は非常に虫歯になりやすいため、注意が必要です。

乳歯と生えたばかりの永久歯は虫歯になりやすい

可愛らしい乳歯と、生え変わりで生えたばかりの永久歯はエナメル質が薄く、酸に非常に弱い状態です。もしお子さんのお口の中に虫歯菌が存在していると、虫歯リスクはグンと高くなってしまいます。

幼児から学童期にかけて起こりやすい歯のトラブルといえば、なんと言っても虫歯です。虫歯になる要素は虫歯菌だけではありません。虫歯菌以外の要因として「砂糖」「歯質」「時間」が挙げられます。この4つの要因が重なることで、虫歯になってしまうと言われています。

つまりまだまだ歯質が弱く脆い状態で砂糖をたくさん含んだお菓子やジュースを時間も決めずにだらだらと口にしていると、一気に歯が溶けて虫歯へと進行してしまうのです。

お子さんのおねだりに負けて、つい甘いものを与えすぎていませんか?また学童期になると、自分たちでお菓子を買って食べる機会も増えてきます。仕上げ磨きを卒業している場合は、磨き残しの心配も重なり、虫歯リスクも高くなってしまうことが考えられます。

 

甘いものは時間と回数を決め、歯磨きをしっかりと行ってあげましょう

お菓子やジュース、アイスクリームなどを与えたり自分たちで食べたりする場合は、きちんと回数や量を決めておく必要があります。テレビを見ながらだらだらと食べ続けたりすると、お口の中が常に虫歯になりやすい酸性状態が続いてしまいます。

また歯磨きも虫歯予防の基本ですが、小さなお子さんの場合、仕上げ磨きが大変重要です。泣いてしまうお子さんもいらっしゃると思いますが、根気よく続けてあげてください。

仕上げ磨きに年齢制限はありません。学童期になると自分で磨くお子さんがほとんどですが、うまく磨けずに汚れが残ったままのお子さんも非常に多く、虫歯や歯肉炎を引き起こす原因となります。週にいちどは仕上げ磨きを行ってあげたり、汚れが残って否かどうかをチェックしてあげるといいかもしれません。

またお子さんの定期検診も大切です。大人同様、歯や歯ぐきに異常はないかどうかをチェックし、フッ素塗布などを行って歯質を強化させてあげましょう。

お子さんの虫歯リスクを予防してあげることが、将来の歯の健康に大きく影響するのです。

 

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歯周病の進行を止めることはできるのでしょうか

2019年07月04日 09:21

歯を失う最大の原因と言われている歯周病は、虫歯のように痛みを感じることなく進行します。自覚症状が出た頃には歯がグラグラと揺れ動き、さらに症状が悪化すると歯が抜け落ちてしまいます。また全身の健康にも影響を与えると言われており、歯周病はもはやお口の中の問題だけでは済まなくなってきています。では歯周病になった場合、進行を抑えることはできるのでしょうか。

 

歯周病の進行について

ある程度症状が進行しないと自覚症状があまりない歯周病は、どのように進行していくのでしょうか。まずは歯周病の進行過程についてご紹介します。

①歯肉炎・・・歯ぐきの腫れや出血を伴う軽度の炎症。歯周ポケット数値は正常範囲内(3ミリ程度)で、炎症が歯ぐきのみに起きている。ブラッシング不足が原因で、学童期から起こる。

②軽度歯周炎・・・歯ぐきの腫れと出血とともに、歯周ポケット数値が3~4ミリ程度と、歯肉炎と比較するとやや高い数値となる。炎症の範囲が歯を支える歯槽骨に広がりつつある状態。歯の揺れはまだ見られない。

③中度歯周炎・・・歯ぐきの腫れ、出血に加えて膿が溜まり始める。そのため口臭がきつくなり、歯ぐきも下がって歯が長くなったように見える。歯周ポケット数値は4~7ミリ程度とさらに高くなり、歯も揺れ動き始める。

④重度歯周炎・・・歯ぐきに膿が溜まり、噛むと痛みを感じるようになる。周りに不快感を与えるほど口臭がきつくなる。歯槽骨はますます吸収されており、歯周ポケット数値は8ミリ以上。ここまで症状が悪化すると、歯を支えることが難しくなり、いつ抜けてもおかしくない状態。

 

歯周病の進行は止めることができるの?

歯科医院で「歯周病です」と言われると、もう歯が抜けるのを待つしかないのか、今さら歯石除去をしてもムダなんじゃないかと悲観してしまうかもしれません。しかし歯周病は、適切なケアと定期的な歯石除去およびクリーニングを行うことで、症状が改善されて進行を止めることが可能となります。

その目安は、中度歯周炎です。この状態でも、しっかりと歯石除去やSRP(歯肉の下にある歯石を取り除くこと)などを行うことで歯ぐきが引き締まり、歯周病の進行を食い止めることができるかもしれません。実際、歯が揺れ始めていた方が定期的に歯石除去を行うようになってから歯周ポケット数値や動揺度(歯の揺れを測る検査)が改善され、現状を維持できている方も大勢いらっしゃいます。

しかし、歯周病と診断されながら治療を放置すると、後で必ず後悔する日がやってきます。重度歯周炎まで進行してしまうと、残念ながら歯を残すことは難しくなってしまいます。

大切なことは、定期的に歯石除去やクリーニングを受けることです。家庭での歯磨きだけでは、歯周病の進行を抑えることは難しいため、プロの手で歯周病の原因となるプラークや歯石を取り除いてもらう必要があります。

 

後で後悔しないためにも、定期検診は必ず受けるようにしてください。

 

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「お口クサイ!」と言われないために

2019年06月26日 10:20

高齢になると、いわゆる「加齢臭」が気になることでしょう。加齢臭とは、その名のとおり加齢に伴い、若いころには感じなかった独特の臭いを放つことです。その中でも、加齢による「口臭」は、会話する相手や同居する家族にとって、気になる加齢臭のダントツ一位と言ってもいいでしょう。可愛いお孫さんやお子さんたちから「お口クサイよ!」と言われないためにも、口臭ケアはきちんとしておきたいものです。

高齢者の口臭の原因とは

では高齢に伴う口臭の原因は、若い方に比べてどのように違うのでしょうか。最も考えられる理由として、唾液の分泌低下による細菌繁殖の増加です。年齢を重ねるにつれ、唾液の分泌量は減少する傾向にあります。お口の中には非常に多くの細菌が存在しています。唾液には細菌を洗い流す作用があり、口臭を防ぐ効果がありますが、唾液分泌量が減るとお口の中が乾燥し、細菌が爆発的に増加して口臭がきつくなってしまいます。また高血圧など全身疾患により薬を服用すると、その副作用で唾液が分泌されにくくなることがあります。高齢になると、高血圧をはじめとした生活習慣病に罹患している方が多く、高齢者に口臭が多いのは、唾液分泌の低下によるものがほとんどです。

そして細菌が増加すると、舌が真っ白になる「舌苔(ぜったい)」という状態になります。舌苔は高齢者でなくとも起こりますが、高齢者にはよく見られる症状です。

その他にも歯周病の進行によるもの、入れ歯やブリッジの手入れが行き届いていないために起こるものなど、年齢を重ねるにつれてお口の中の衛生環境が悪くなることが高齢者の口臭の原因として挙げられます。

 

加齢に伴う口臭を防ぐためには

家族や友人から「加齢臭で口が臭い」と思われないようにするためには、まず口腔内の状態を清潔に保つことが第一です。毎日の歯磨きはもちろん、入れ歯やブリッジが入っている場合は、念入りに手入れを行い、汚れ残りによる臭いのもとをシャットアウトすることが大切です。

そして唾液をたっぷり出すことも重要なポイントです。唾液はしっかりと噛むことで分泌されます。やわらかいものばかり食べるのではなく、噛み応えのある食材を食事の中に取り入れて、よく噛むように味わいましょう。また歯磨きのときに唾液腺マッサージを行うこともお勧めです。唾液の分泌を促す場所は耳の下の耳下腺、下顎の内側の柔らかい部分である「顎下腺」そして下顎の先端の内側にある「舌下腺」をゆっくり押してみて下さい。唾液腺が刺激され、唾液が出やすくなる効果があります。

何歳になっても、お口の中の健康を維持して、健康で快活な毎日を送るように心がけてみて下さい。唾液が出にくい方や、口臭が気になる方は、いちどかかりつけの歯科医院で相談してみてはいかがでしょう。

 

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6歳臼歯に伴うトラブルとは?

2019年06月23日 21:37

6歳臼歯とは、その名のとおり6歳前後で生えてくる奥歯の永久歯のことで、専門用語では「第一大臼歯」と呼ばれています。6歳臼歯は永久歯の中でも非常に大切な歯であるとともに、トラブルも起きやすい歯でもあります。では6歳臼歯に伴うトラブルとは、いったいどういうものなのでしょうか。

 

6歳臼歯に起こりやすいトラブルとは

 

虫歯・・・最も多いのは、虫歯です。6歳臼歯は奥のほうに生える歯で、咬合面の溝が深いため、食べかすが溜まりやすくなってしまいます。生えたばかりの永久歯はまだ柔らかく、酸に弱い状態です。またブラッシングも前歯に比べると行いにくいことから、虫歯リスクが高くなってしまいます。また6歳臼歯が生えてくる途中も、虫歯になりやすい状態です。対応策としては、歯の溝を埋めるシーラントが有効ですが、全ての歯科医院で推奨されているわけではありません。日常の歯磨きと仕上げ磨きをきちんと行い、定期健診を受けて虫歯予防を行いましょう。

 

歯が生えてくるときの歯ぐきの痛み・・・6歳臼歯の位置には、乳歯はありません。6歳ごろになったら歯ぐきから顔を出してきます。その時に歯ぐきにむず痒さや痛みを伴うことが多いようです。また歯ぐきが盛り上がったり、腫れてしまうこともあります。生えてしまったら症状が落ち着くことがほとんどですが、腫れが強い場合は、痛み止めを服用して様子を見ます。

 

・6歳臼歯の噛み合わせのズレ・・・6歳臼歯は、噛み合わせの基準となる最も大切な歯です。したがって噛み合わせがズレてしまうと、そのまま不正咬合につながってしまう恐れがあります。上下の噛み合わせのズレが確認されたら、早めに歯列矯正を行うことを考えたほうがよいでしょう。

 

エナメル質形成不全・・・他の永久歯にも見られますが、生えてきた6歳臼歯が変色している場合、エナメル質形成不全が疑われます。エナメル質形成不全とは、エナメル質が弱い状態の歯で、先天性の疾患です。エナメル質が弱いため、虫歯リスクが非常に高くなってしまいます。定期的にフッ素塗布を行い、歯質を強化していく必要があります。

 

一生付き合う大切な歯の健康を維持してあげましょう

6歳臼歯は大人になっても非常に大切な役割を持つ歯です。もし6歳臼歯を失ってしまったら、噛むバランスが崩れるだけでなく、顔の輪郭まで変わってきます。将来のことも考えて、6歳臼歯をずっと維持できるよう、虫歯などのトラブルから守ってあげましょう。

 

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歯科検診、異常がなくても定期健診を受診しましょう

2019年06月14日 08:57

6月は、歯とお口の健康月間です。幼稚園や保育園、小学校や中学校などで、校医さんによる歯科検診が行われていることでしょう。学校などの集団検診の場合、結果をお知らせする用紙が保護者のもとに届くと思いますが、異常がなくても定期健診に通うことがお勧めです。

 

集団検診でチェックすることとは

各都道府県や自治体によって若干の違いがあるかもしれませんが、集団検診では園児や生徒のお口の中を見て、次のようなことをチェックします。

・虫歯の有無

・歯肉の腫れの有無

・プラークが付着していないかなど、口腔内の衛生状態の確認

・歯並びや噛み合わせの確認

・その他歯科医師の所見

学校などの集団歯科検診では検査の項目が定められており、虫歯を表す「C」、歯肉炎を表す「G」、要観察段階である「CO」「GO」などがあります。この「O」はゼロではなく、英語の「observation(観察)」を意味しており、虫歯や歯肉炎になりそうなお子さんに対して付けられます。また歯並びは正しいか、出っ歯や受け口、オープンバイトなどの不正咬合はないかどうかも重要な項目です。

 

集団検診ではわかり辛い面も

集団検診は、虫歯や歯肉炎がないかどうかなどお子さんのお口の中の健康状態を確認し、診断結果を保護者にお伝えします。しかし集団検診は、限られた時間の中で、たくさんの子供のお口の中を診なければいけません。また歯科医院の眩しいライトの元でしっかりと診るのとは違い、保健室などごく普通の明るさの中でお口の中を確認します。明らかに真っ黒になっている虫歯や赤く腫れた歯肉などは比較的確認しやすいですが、少し歯の表面が溶けかけている脱灰は、もしかすると見落としてしまう可能性も否定できません。逆に、少し茶色くなっている歯が虫歯と診断されたにも関わらず、実際に歯科医院で診てもらったら、ただの着色だったということもそれほど珍しくありません。

歯並びに関しては、レントゲンを撮ってみないとわからないことも多く、歯科検診の結果が全てとは言えないこともあります。

しかし、歯科検診の結果で要観察や要治療にチェックが入った場合、速やかに歯科医院で処置を受けることで、症状の悪化を防ぐことができることは、非常に大きな意味を持つと言えます。

 

検診結果に関わらず、定期健診をしっかりと受けましょう

集団歯科検診の結果に問題がない場合、保護者の方は「何も異常がなくて良かった」とホッとすることでしょう。お子さんにとって歯医者は苦手な場所のひとつです。治療の必要がなく、やれやれと思われうかもしれませんが、お子さんの歯やお口の中の健康を維持するためにも、定期健診は欠かさず受けることをお勧めします。集団検診では確認できなかった異常を発見することも決して少なくはなく、早めに治療をすることで、お子さんの負担も少なくて済みます。

集団歯科検診の結果に関わらず、お子さんのお口の健康維持のためにも定期健診を受けるようにしましょう。

 

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飲み物は、できるだけ水かお茶で

2019年06月06日 16:51

暑い季節になってきました。暑いと喉が渇き、炭酸飲料やスポーツドリンクなどが美味しく感じられますよね。炭酸飲料はスカッとし、スポーツ飲料は汗をかいたときに体が欲するため、つい1日に何度も手を伸ばしてしまいませんか?砂糖をたくさん含んだ飲み物は、虫歯の元になります。美味しいからといって、飲みすぎてしまうと虫歯になってしまうため、砂糖を大量に含んだ飲料水の過剰摂取は要注意です。

 

思った以上に砂糖が含まれている清涼飲料水

炭酸ジュースやスポーツドリンク、甘いカフェオレ・・・甘さを感じる飲み物は、暑いときや疲れたときなどに飲むと、ほっとしますよね。しかしこれら清涼飲料水は美味しい反面、砂糖がたくさん含まれているため一日に何度も飲んでいると、虫歯を誘発する可能性が高まります。お子さんが好む乳酸菌飲料も同様です。ではよく目にする、あるいは口にする清涼飲料水にはどのくらいの砂糖が含まれているのでしょうか。1個4グラムに相当する角砂糖や一本3グラムのスティックシュガーを目安にご紹介します。

・炭酸飲料(500ml)・・・角砂糖10~16個分

炭酸飲料には色々な種類が販売されていますが、程度の差こそあれ、500mlのペットボトルにはこれほど多くの砂糖が含まれています。これを一日に何本も飲む、あるいは2ℓのペットボトルを1日で空けるとなると、相当な砂糖を摂取することになります。

・スポーツドリンク・・・3gスティックシュガー11本分

スポーツドリンクの場合、糖ではなく「炭水化物」と表示されています。これを糖度に換算すると、3グラムのスティックシュガーおよそ11本分という結果が出ているそうです。甘みを抑えるため、人工甘味料が使われているものも多くありますが、中には安全性に疑問が持たれているものもあるようです。

・缶コーヒー・・・角砂糖1~3個分

ブラックコーヒーなら砂糖が使われていないため問題はありませんが、それ以外のコーヒーにも意外と糖分は含まれています。一般的な甘さの缶コーヒーは角砂糖約3個分、微糖タイプでも角砂糖1個分の砂糖が使われており、カフェオレならもっとたくさんの砂糖が含まれていることになります。缶コーヒーを一日に何本も飲む方は、その分糖分が蓄積されることになるため、知らない間に砂糖を過剰摂取していることになります。

・乳酸菌飲料(80ml)・・・3gスティックシュガー5本分

小さなお子さんたちが大好きな乳酸菌飲料にも、多量の砂糖が使われています。注目すべきは、その容量です。よく見かけるあの小さな容器にスティックシュガー5本もの砂糖が含まれているため、小さなお子さんに与える場合は十分注意が必要です。

歯の健康のためには水かお茶を

歯のトラブルで最も多いのは、虫歯です。虫歯になる大きな要因のひとつは、砂糖の過剰摂取と摂り方です。美味しいから、喉が渇くからといって時間を決めずにだらだら飲んだり、何本も飲んでいると奥地の中が常に酸性状態となり、虫歯に進行しやすくなります。虫歯にならない飲み物は、糖分が含まれていない水またはお茶、白湯です。できるだけ水やお茶で水分補給をし、砂糖がたくさん使われている飲み物を飲むときは、本数や時間をきちんと決めておきましょう。

暑くなる時期に向けて水分補給が欠かせませんが、歯の健康のことを考えて、少し飲み物のことに注意して過ごしてみませんか?

 

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ホームホワイトニング用のマウスピースは歯軋り対策として使えないの?

2019年05月29日 08:08

就寝中や何かに熱中しているときなどに行われる歯軋りや食いしばりは、自分の意思とは無関係に、無意識に行われる癖です。歯軋りや食いしばりはそのままにしておくと 歯や顎などに悪影響を与えてしまうため、スプリントやナイトガードと呼ばれるマウスピースを使って症状を緩和します。では同じマウスピースでも、ホームホワイトニングで使用するマウスピースは、歯軋り対策として効果があるのでしょうか。

 

歯軋り、食いしばりによる悪影響とは

歯軋りとは、寝ている最中に歯を擦り合わせることで、ギリギリ、キシキシとしたイヤな音を立てることで知られています。また食いしばりは、気がつけばギュっと上下の歯をかみ締めている状態で、日中でも無意識に行われることが特徴です。

歯と歯が一日に接触している時間は、食事のときの20分程度で、それ以外では1ミリほど開けているのが正常な状態です。この歯軋りや食いしばりは、食事以外のときに無意識に歯と歯科を接触させており、加えて非常に大きな力が加わるため、歯だけでなく顎にも大きな負担がかかるのです。

その結果、寝起きに歯が痛い、口がだるい、顎が痛い、被せ物が割れる、そして歯周病が進行しやすくなるなど、お口の中の健康に大きな悪影響を与えてしまうのです。また肩凝り、頭痛、顎関節症など体の健康にも深刻な影響が出てしまいます。

 

歯軋りや食いしばりの治療法とは?

歯が痛くて「虫歯かも?」と思って歯医者を受診しても、虫歯ではない場合、歯軋りや食いしばりが痛みの原因ではないかと言われることがあります。自分では意識せず行われている癖のため、そのように聞いてびっくりする方もいらっしゃるでしょう。無意識に行われている癖が、やがて歯を失ったり、体の健康に繋がる原因となってしまう場合があることから、治療をしなければ、とお思いになるかもしれません。

しかし歯軋りや食いしばりの治療は、虫歯治療のように病巣を取り除くことはできません。日常の「癖」であるため、まずは意識してかみ締めないようにすることから始めなければいけません。またストレスが原因のひとつとも言われているため、上手にストレスを発散することも大切です。

そして物理的な治療法として、歯と歯を接触させないためにマウスピースを装着することで、症状を緩和させます。食いしばり対策のマウスピースには「スプリント」や「ナイトガード」と呼ばれるものがあり、それらをひとまとめにして患者さんには「マウスピース」と説明することがあります。どちらも大きな違いはありませんが、やや固めの素材で作られており、歯や補綴物の破損を防ぐ役目を持っています。

 

用途が違うホワイトニング用マウスピース

ではホームホワイトニングで使うマウスピースは、歯軋り対策にはならないのでしょうか。答えは、残念ながら兼用はできません。というのも、ホームホワイトニング用のマウスピースは素材が柔らかいため、歯軋りのダメージに耐えられず、破れたり穴が開いてしまうなど、破損してしまうからです。ホームホワイトニング用のマウスピースは、ホワイトニングジェルが密着しやすくするために柔らかめの素材で作られています。もし、歯軋りや食いしばりで歯に問題が生じた場合、歯科医師に相談して新たに治療用マウスピースを作製するほうがよいでしょう。

 

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加齢とともに歯が黄ばむ理由について

2019年05月21日 10:47

若い頃は自然な白さだった歯は、年齢を重ねるたびにだんだん黄ばんできます。黄ばんだ歯は、口元だけでなくお顔全体の印象にも大きく関わり、残念ながら「年をとっている」と感じざるをえません。ではなぜ加齢ととともに歯は黄ばんでくるのでしょうか。

 

歯がだんだん黄ばむ原因について

ではなぜ歯は加齢とともに黄ばんでくるのでしょうか。その原因として、以下のことが考えられます。

・エナメル質が薄くなり、内部の象牙質の色が透けて見える・・・歯の黄ばみの最も大きな原因ともいえます。歯の表面は固いエナメル質で形成されており、内部は薄いクリーム色の象牙質があります。象牙質はエナメル質で覆われていますが、長年食事をするにつれてエナメル質が少しずつ磨り減ってきます。そのため内部の象牙質が透けて見えるようになることで歯の色が濃く見えてしまいます。

 

・象牙質の変色・・・象牙質も、薄いクリーム色から濃い黄色~褐色へと年々色が濃くなってきます。エナメル質の磨り減りとともに色が濃くなった象牙質が透けて見えることで、黄ばみが増して見えてしまいます。

 

・飲食物による着色・・・コーヒーや赤ワイン、ケチャップやソースそしてタバコなど日常の飲食物によって、歯に色素沈着が怒ります。定期的なクリーニングを受けていればそれほど濃い着色にはなりませんが、クリーニングを受けずにいると、黄ばみというよりは茶色っぽく変色し、口元の審美性を損ねてしまいます。

 

・処置した歯の変色・・・小さな虫歯や浅い虫歯の場合、レジンを詰めて処置を行います。若い頃にレジンで処置をした部分は、年数が経つにつれてだんだん変色してきます。また前歯を保険適用の差し歯にした場合も、経年劣化のため変色が著しくなります。このように、処置した歯が変色することで、歯が黄ばんで見えてしまいます。

 

加齢とともに変色した歯を白くするには?

加齢とともに歯が変色するのは仕方ありません。しかし歯が黄ばんでいると、どうしても「老けている」という印象は否めません。では加齢とともに変色した歯はどのようにして白くするのでしょうか。

・ホワイトニングにより歯を白くする

・セラミッククラウンやラミネートベニアによる治療を行う

歯の黄ばみそのものを取り除き、白い歯を手に入れるならば、ホワイトニングが最も効果的です。歯のクリーニングは、歯についた汚れを取り除いて本来の色を取り戻すことはできても、内部の象牙質までは白くできません。ホワイトニングは、内部の象牙質の黄ばみを分解する働きがあるため、黄ばみを抑えた自然な白い歯を手に入れることが可能です。

処置した歯を白くするためには、セラミッククラウンか、ラミネートベニアいよる治療が必要です。治療した歯はホワイトニングでは白くならないためです。セラミックは汚れがつきにくいため、白さを維持することが可能です。歯のクリーニングで周囲の歯の汚れを落としてから治療を行うと、周りの歯と調和が取れるでしょう。ただしセラミックによる治療は、歯を削るため多少なりともリスクを抱えることになります。

 

口元は、年齢が表れるパーツです。歯の黄ばみを解消し、いつまでも若々しい口元で過ごしてみてはいかがでしょうか。

 

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