2018年06月14日 06:11
虫歯治療は、ドリルを使って歯を削り、虫歯部分を取り除いてプラスチックや詰め物を詰める治療法が一般的です。この方法は最もオーソドックスとはいえ、少なからず健康な歯質も削ることになってしまいます。
そこで今注目を集めているのが、歯を削らず薬で虫歯部分を溶かして治す「カリソルブ」という治療法です。今回は、カリソルブによる治療内容や費用などについてお話を進めていきます。
・カリソルブが適用となる虫歯とは
虫歯は、進行具合により治療内容も異なります。まず虫歯の進行具合について簡単に説明します。
C1・・・歯の表面のエナメル質が溶けて穴が開いていたり、黒っぽくなっている状態。痛みは感じない。
C2・・・虫歯がエナメル質内部の象牙質まで進行した状態。冷たいものや甘いものが滲みるようになる。
C3・・・虫歯が歯髄(神経)まで到達し、激しい痛みを伴う状態。根の治療を行うことで歯を残すことが可能。
C4・・・虫歯によって神経が死に、歯がほとんど溶けて根だけになった状態。歯を残すことはできず、残念ながら抜歯となる。
カリソルブは、C1とC2の虫歯に対して治療が可能です。ただ虫歯が歯髄近くまで達した虫歯の場合、虫歯を掻き出すときに痛みを感じることがあるため麻酔を使って痛みを感じないようにすることがあります。
・カリソルブの治療の流れ
ではカリソルブによる治療ではどのようなことが行われるのでしょうか。次にカリソルブ治療の流れについてご説明します。
①虫歯を溶かす薬液「カリソルブ」を虫歯部分に塗布し、約30秒待つ。
②カリソルブによって柔らかくなった虫歯を、手動の器具を使って掻き出す。カリエスディレクターと呼ばれる染め出し液を使い、虫歯の取り残しがないか確認しながらていねいに掻き出します。
③虫歯部分を完全に除去したあとは白いプラスチック、または虫歯が大きかった場合、型取りを行って詰め物を詰める。
・カリソルブの費用について
歯を削らず虫歯を治すことができるカリソルブは、自由診療になります。保険が使えないため費用が高くなり、白いプラスチックや型取りを行って作製した詰め物も、自費になります。歯科医院により費用は異なりますが、相場は5,000円~10,000円といったところでしょう。
・カリソルブのメリットとデメリットとは
歯はいちど削ると二度と元に戻りません。通常の虫歯治療は虫歯部分やその周囲も削る必要があることを比較すると、カリソルブはほとんど歯を削りません。歯の寿命を考えると、これは非常に大きなメリットと言えます。また麻酔を使わずに治療するため、高血圧などの持病をお持ちの患者さんにも適しています。ただし歯髄に近い部分まで虫歯が進行している場合は麻酔を使うことがあります。
カリソルブのデメリットは、保険適用外となるため治療費が高くなることです。また比較的新しい治療法のため、取り扱っている歯科医院がまだ少なく、費用の比較がしにいくいところもデメリットと言えるでしょう。加えて虫歯を取り残さないように掻き出す高い技術力を必要とし、その分通常の虫歯治療よりも時間がかかります。
・歯の寿命を考えた治療法
大切な歯を残すための削らない虫歯治療「カリソルブ」についてお話しました。不用意に歯を削らず、神経を温存することができる可能性が高いカリソルブですが、虫歯の進行具合により適用できない場合があります。不明な点は、当院に気軽にお尋ねください。
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