むし歯じゃないのに歯が溶ける「酸蝕症」とは?

2023年05月29日 11:02

歯が溶けると聞くと、まず思い浮かぶのはむし歯でしょう。しかし、むし歯でなくても歯が溶ける病気があることをご存じでしょうか。むし歯でないのに歯が溶ける症状を「酸蝕症(さんしょくしょう)」と言い、不快な症状を引き起こしてしまいます。ではあまり知られていない酸蝕症とはどういうものなのかについて、お話いたします。

歯を溶かすのは「酸」

歯は非常に硬いエナメル質で覆われているため、強打しない限り簡単に折れることはあまりありません。しかし、エナメル質の唯一の弱点は、「酸」です。酸によってエナメル質は少しずつ溶かされ、痛みなどの不快感が現れてきます。

歯を溶かす酸には、ミュータンス菌などの虫歯菌が作り出す細菌性のものが良く知られていますが、それ以外の原因として、飲食物や胃酸などの、細菌が関与しないものがあります。つまり、虫歯菌による酸ではなく、飲食物などによる細菌以外での原因でエナメル質が溶ける症状が、酸蝕症なのです。

酸蝕症になる原因とは?

むし歯によってエナメル質が溶けてしまうのは、虫歯菌が原因です。しかしむし歯でないのにエナメル質が溶ける酸蝕症の原因はいったい何が考えられるのでしょうか。

・胃酸

胃酸はとても強い酸性の物質です。そのため頻繁に嘔吐してしまう症状がある場合、胃酸によってエナメル質が溶けてしまいます。逆流性食道炎や過食嘔吐、拒食症などが考えられます。またアルコールを摂りすぎて頻繁に吐いてしまう方も、胃酸による酸蝕症が心配されます。

・スポーツドリンクなどの過剰摂取

スポーツをする方にとって、スポーツドリンクは欠かすことができません。水やお茶だけでは、汗によって失われた体内物質を補給することは難しく、スポーツドリンクによって補うことができるため、スポーツドリンクを口にする機会が多いのではないかと思います。

また夏場を中心として、熱中症になるリスクが高い場合、スポーツドリンクを摂取することで熱中症予防や熱中症になってしまった場合の回復手段となります。しかしスポーツドリンクを過度に摂取することによってお口の中が常に酸にさらされていると、酸蝕症になるリスクが高まってしまいます。

酸蝕症の症状とは?酸蝕症にならないためには?

酸蝕症になると起こる症状は、歯がしみるようになることです。酸によってエナメル質が溶けると象牙質がむき出しになってしまうため、冷たいものなどがしみるようになります。「むし歯かな?」と思って歯医者を受診し、むし歯でなく酸で歯が溶けていることが分かることがほとんどです。

むし歯じゃなくてホッとするかもしれませんが、しみる症状が続くと飲食にも影響が出てしまいます。

このような不快症状が起こる酸蝕症にならないためには、いくつか気を付けておくべきことがあります。

・必要以上にスポーツドリンクなどをだらだらと摂り続けない

・酸性物質を口にした後は、水で口をゆすぐ

・寝る前はできるだけ酸性物質を口にしない

酸が多い飲食物は体にも良いとされています。摂取するバランスが難しいかもしれませんが、上記のことを心がけることで、酸蝕症のリスクを減らすことは可能です。

もししみるなどの症状が合った場合、むし歯だけでなく酸蝕症の可能性もあります。早めに受診しましょう。

 

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